盛り土問題「無責任体制」 小池都知事会見詳報

2016.09.26

盛り土問題「無責任体制」 小池都知事会見詳報 
 
2016/9/23 朝日新聞

東京都の小池百合子知事が23日の記者会見で、豊洲市場(江東区)の盛り土問題や都政改革について語った主な内容は以下の通り。





記者会見する小池都知事(23日午後、都庁)

 「第2回の都政改革本部会議を29日に開く。すべて公開し、インターネットでも中継する。都庁各局の自律改革の状況、情報公開調査チームの検討状況、五輪パラリンピック調査チームの第1次調査の報告を用意する。充実した報告が出てくるのを期待している。リオデジャネイロ五輪パラリンピックが終わったところで、東京、日本での準備に拍車がかかる。これからはスピードアップして進めていきたい」

 「市場問題プロジェクトチーム(PT)の初会合も29日に開く。すべて公開し、インターネットでも中継する。築地から豊洲への移転の経緯を整理し、検討課題を洗い出す。検討の手順をオープンななかで議論していきたい」

 「豊洲市場の問題では21日に帰国して事務方から報告を受けた。『モニタリングなどのための作業空間が必要だった』とか『施設の建設設計を進める過程で地下空間を設けて盛り土を行わない方針が固まっていた』など説明があったが、時期の特定には至っていない」

 「いつ誰が盛り土をしないと決定したのか、ホームページや議会答弁が事実と違っていた、建物の下に盛り土をしていなかった職員がなぜ(土壌汚染対策を検討する)専門家会議に意見を求めなかったのか、といった点は曖昧な部分を残している。より詳細な解明が必要で、調査を続ける」

 「報告は(28日開会の)都議会が始まる前と話していたが、9月いっぱいで結果をまとめたい。報告そのものが都庁が自律改革できるかどうかの試金石でもある。やはり嫌ですよ。先輩方に嫌な話を聞かなければならないかもしれないし、関わっていた人は言いづらいこともあるでしょう。だけどここは都政の信頼を回復するという一番大きな課題のために、報告書はしっかりやってほしい、やらなければならないと思っている」

 ――曖昧な部分は月内の報告によって明らかになるのか。

 「私はそう期待している。誰が悪い、どうした、こうしたはさることながら、都政は多岐にわたっており、課題も多い。まな板のコイが自ら包丁を振りかざして身を切るとは思えないが、まずそこからやらないとダメでしょう。都政改革本部でも自律改革を一番最初に掲げた。どういう報告書を出してくるかが私にも大変興味がある。都民にも知らせ、何を今後改革していくべきか意見をうかがえるようになる」

 ――報告はどのような項目を想定しているか。

 「いつ誰が何を決め、決めなかったのか、知らせ、知らせなかったのかといった事実関係と、なぜそうなったかも注釈を求めたい。メディアが先行し、正しいかは別にしていろいろな情報が飛び交い、みている方には分からないのが実情だ」

 ――過去の中央卸売市場長や石原慎太郎元都知事に直接事情を聞く可能性はあるか。

 「最終の報告書をみて足りなければ必要なことは行う。報告書次第だ」

 ――(大阪市長だった)橋下徹氏が「(豊洲市場の)地下水は飲まない。対策は不要」という趣旨の発言をしている。

 「橋下氏のコメントは聞いてはいる。地下水を飲むわけではないというが、これは総合的な話で、地下水の汚染がどれほど生活者に影響を与えるか、食の安全に疑問を抱かせるかという感性が必要だと思う」

 ――盛り土をしていなかった事実を関係する市場長5人は知らなかったと話している。

 「ガバナンスや縦割りの問題だ。誰のお金でやっていて誰のための市場なのか。ちょっときつい言葉を言わせていただけば、無責任体制といわざるをえない。誰が悪いか特定するのは目的ではなく、目的のひとつではあるが、都政の不透明さをこれからも続けていくかが問われている」

 「私の座右の書は『失敗の本質』。失敗に共通するのは要は楽観主義、縦割りだ。日本は敗戦したが、都民の安全を預かる都庁は敗戦するわけにはいかない。5人の市場長は率直に言っていると思うが、責任をどこまで感じているか。どう後輩に生かすか関心がある」

 ――報告が結果的に議会前に間に合わない。

 「出発前の言葉が足りなかったかもしれない。調べる量も膨大で、(リオから)帰国後には中間報告のつもりだった。期限を延ばしただけに、最終報告は意味のあるものでなければならない」

 ――盛り土問題を受けて環境アセスメント(環境影響評価)のやり直しが必要になるのでは。

 「有識者の(専門家)会議と市場問題PTができるだけ早い時期に安全か否か検討する。一般論として環境アセスは盛り土で問題が出れば変更届を出さないといけない。変更届提出からやり直しの可否が分かるのに1カ月、そもそもやり直すのに1年3カ月を要する。いずれにせよPTと有識者会議で科学的な知見に基づく判断をいただく」

 ――豊洲市場の安全確認はいつをメドに。

 「安全をないがしろにした卸売市場はあり得ない。安全性ではヒ素という言葉も出ているが、自然由来のものもある。程度の問題があり、冷静にみていかなければならない。今は専門家会議やPTなどの結果を待っている状況だ。そのうえで専門的、客観的、第三者的な判断をいただく」

 「なぜこうなったかは行政の問題だ。経営状態の厳しいところを豊洲にかけている企業の方もいる。1日も早く結論を出さなければならない」