成功例としてのエジプト・エルディケーラプロジェクト

2016.07.14


成功例としてのエジプト・エルディケーラプロジェクト



赴任した岡山市民病院で、5月から、病院内外の事務職を主な対象として、その意識改革・モラルアップを目的に、毎月1回のペースで「経営・仕事塾」を開いています。

7月12日(火)の第3回経営・仕事塾では、30年前、私がエジプト・アレキサンドリアで経験したエジプト・エルディケーラ・プロジェクトをテーマに取り上げました。

このプロジェクトは、エジプト政府が、世界銀行と日本政府の支援を受けて、アレキサンドリア・エルディケーラ地区に、西側先進鉄鋼メーカーとの合弁で一貫製鉄所を建設することによって、競争力のある近代的な鉄鋼業を育成するとともに数千人の雇用を生み、かつ、それまで輸入に頼っていた鉄鋼を国内で生産することによって年間数億ドルの外貨を節約することを狙った計画でした。

しかしこのプロジェクトは、製鉄所の建設まではうまくいったものの、その後の世界的な為替レートの大幅変動がもたらした為替差損や外貨繰り悪化等により、私が赴任した頃は、「その倒産は時間の問題」という絶望的な状況になっていました。

それを、同時期に赴任した日本人トップが、たった2年で経営再建して、このプロジェクトを成功に導き、関係した人・組織を皆幸せにしたわけで、その様子をエジプトで目の当たりにしたことが、その後、私が「経営」の道を目指す切っ掛けになりました。

その詳細につきましては、添付した資料を参照願いたいのですが、今回、この講演をやってみて、「そこで見聞きしたことが、今の私の『病院の経営再建を請け負うプロの事務局長』としての仕事の原点になっている」と改めて痛感しました。

「経営再建のミッションと、それを実行するための任期は有期であること」を明らかにした上で、落下傘で任地に赴任する。赴任後は日常のコロガシをこなしながら経営再建の方向性を模索し、経営の再建計画を立案したら、周囲の関係者を巻き込みながらその実行を推進し、最後は自分の首を賭けてでも決断実行し、任期中に結果を出す」という、今回の講演の中で登場した3代目ジェネラルマネージャーの姿は、川崎・大阪・橋本とやって来て今また岡山で病院の経営改革・再建に取り組んでいる私の仕事と重なります。

また、「人を幸せにしてこその経営・仕事であり、またそうしてこそ大きな充実感と満足感を得られる」ということも、「組織として成り立つためには、共通のサクセスストーリーが必要」ということもその時以来の私の信念です。

今回、私は岡山市民病院に、「今年の4月から3年間」の任期で赴任しました。

「今10億円の赤字を出している岡山市民病院をその3年間で黒字化する」というのがそのミッションです。

3年間でそれを成し遂げることで、新たなサクセスストーリーを紡いでそれを病院職員の皆さんと共有し、後から振り返って見た時に、「あの時の3年間が岡山市民病院のその後の経営基盤安定に向けたターニングポイントだった。黄金の3年間だった」と思ってもらえるようにしたいと思っています。

2016年7月14日(木)岡山市民病院 事務局長 豊岡 宏