竣工特集・東京女子医科大学八千代医療センター第2病棟

2016.07.21

+竣工特集・東京女子医科大学八千代医療センター第2病棟
2016.07.15 建設通信新聞 



【地域に根ざした高度医療提供/設計・監理 日建設計 施工 清水建設】

 東京女子医科大学附属八千代医療センターは、小児・周産期医療に加え、救急医療の強化や高齢化医療、がんや脳卒中などの成人期医療にも積極的に取り組むべく、増床棟の建設を進め、このほど完成した。大学の理念である「至誠と愛」を実践する医療施設として、今後のさらなる地域医療の充実が期待される。設計・監理は日建設計、施工を清水建設が担当した。高い技術力と入念な工程管理で建物を造り込み、高品質に仕上げて関係者の期待に応えた。◆学校法人東京女子医科大学理事長 吉岡俊正/「至誠と愛」 医療で示す

 このたび、東京女子医科大学附属八千代医療センターの第2病棟が竣工いたしました。

 第2病棟は地上5階建てで、棟内には救命救急センター(ICU)、脳卒中ケアユニット(SCU)、がん病棟を設け、さらに屋上にはヘリポートを設置しました。第2病棟の開床に伴い、144床が増床となり、八千代医療センターの全病床数は501床となりました。これまで以上に地域の期待を担うべく、医療の充実を図ってまいります。また、設備のみならず職員の充実も図り、東京女子医科大学の附属医療施設として、安全で質の高い医療を目指してまいります。さらには、大学の理念である「至誠と愛」を医療の中で示し、来院された方々に「八千代医療センターに来て良かった」と思われる病院であり続けられるよう、これからも充実を図ってまいります。

 第2病棟の建設にあたりましては、八千代市をはじめ、近隣住民の方々、設計・監理の日建設計、施工の清水建設両社のご協力をいただきました。厚く御礼申し上げます。

◆設計メモ/既存と連携、統一感最重視

 本年は八千代医療センターが開院してちょうど10年目を迎える節目の年であり、さらなる救急医療の強化、急速な高齢化に対応した高齢者医療、がんや脳卒中などの疾病に取り組むべく357床から501床の大規模病院へとさらに発展されました。大変光栄にも既存病院に引き続きこの重要な事業の設計・監理業務のご下命をいただきましたこと、この上ない喜びと感じております。設計担当も元の設計者がそのまま担当をさせていただきました。

 八千代医療センターは「地域に親しまれ、安全で開かれた病院」を設計テーマとしており、特徴的なファサードは一目で認識でき、八千代の街のランドマーク的な存在になることを意図しました。今回の増築に際しても既存との連携、全体的な統一感を最も重視して計画しました。既存の外来棟・第1病棟おのおのの棟が独立した分棟形式であるので、増築工事にあたっては既存への影響を最小限に抑えられたといえます。また建設事情が激変する中、いかに経済的につくるか頭を悩ませ、コスト的にも限られた土地利用計画上からもメリットがある柱頭免震構造形式を採用、もともとあった立体駐車場の地下躯体も解体せずそのまま利用としました。

 デザインについては既存病院が建築・インテリア・サイン・アート・シンボル・ロゴ・キャラクターについて包括的な計画をしていましたので、第2病棟のデザインについても迷うことなくそれらを継承し取り込むことができました。

 このたび無事に予定どおり竣工お引渡しを行うことができましたのも、八千代市をはじめ関連行政官庁の皆さまのご指導のもと、発注者さま・設計監理者・施工者が三位一体となり突きき進んで来れたおかげであることと、この場を借りて感謝申し上げます。

 (株)日建設計設計部門設計部長 近藤彰宏

◆施工メモ/地震時の動き配慮

 本建物は地上5階建ての増床棟で、棟内に救命救急センター(ICU)やがん病棟が設けられ、屋上には救急搬送用ヘリポートを備えるなど、地域の中核となる病院施設です。

 「妥協しない品質管理とお客様の立場に立った使い勝手の良いものづくり」を基本方針にプロジェクトを進めてきました。既存の建物も当社で施工しているので、先輩方が築き上げた信頼をさらに高めるために、出来栄え、使いやすさなど既存建物に引けを取らないよう細部まで造り込んでいくものづくりを心掛けました。

 施工計画のポイントは、既存が基礎免震構造で今回の建物が柱頭免震構造のため、地震時の動きや建物のクリアランスに配慮した施工検討には苦労しました。本工事は、既存病院が稼働しているため運営に支障が出ないことと周辺住民の方々へ迷惑をかけないよう、緻密な計画に基づき徹底した管理体制で施工を進めました。

 最後に、昨年2月の着工から約16カ月の工事を経て工期内に無事故・無災害で竣工を迎えられたのは近隣の方々のご協力と発注者をはじめとする関係者全員が一丸となり取り組んだ証であると確信しています。今後、高度な地域医療を提供する地域に根ざした病院としてますます発展していくことを心から願っています。

 清水建設(株)千葉支店増床棟建築工事作業所所長 岡部和司

◆概要

名称:東京女子医科大学附属八千代医療センター増床棟(がん診療施設施設整備事業)

所在地:千葉県八千代市大和田新田477-96他

地域・地区指定:第1種住居地域

発注者:東京女子医科大学

設計・監理:日建設計

施工:清水建設千葉支店

工期:2015年2月19日-5月10日(解体工事)

2015年5月11日-16年6月30日(増築工事)

用途:病院

面積:敷地面積2万8643.58〓

建築面積2020.36〓(建ぺい率43.32%)

延べ面積6991.40〓(容積率133.50%)

構造:主体構造 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、免震構造

階数:地上5階建て塔屋1層