受け入れ効果、年間2億円試算 酒田市、メディカルタウン構想をパイロット事業に

2016.03.22

受け入れ効果、年間2億円試算 酒田市、メディカルタウン構想をパイロット事業に
2016年02月29日 山形新聞

  移住を希望する高齢者の受け入れ拠点として政府が実現を目指す「生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想」に関し、導入を探っている酒田市は、実現可能性調査の中間報告をまとめた。移住者100人を受け入れた場合の消費・交付税措置の効果額を年間約2億円と試算。市立八幡病院と連携し、医療・介護の心配のない、安心した居住環境をつくる「メディカルタウン構想」を市のパイロット事業として打ち出した。

 日本版CCRC構想は、首都圏などの高齢者が希望に応じて地方や街なかに移り住み、地域交流を通じて健康な生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けられるまちづくり。政府は地域特性や強みを生かした構想案、基本計画策定を促している。

 酒田市は、地方版総合戦略(2015~19年度)で、100人を日本版CCRCで呼び込む計画を立案。施設単体の「施設型」を念頭に、市有施設や市有地を貸し付け、民間事業者が運営する形を想定している。昨年10月に東京の民間コンサルタント業者と委託契約を結び、今年3月までの期間で調査を進めている。

 中間報告によると、高齢移住者100人を受け入れた場合、年間1億8千万円程度の消費が喚起されると試算。人口増による国からの普通交付税措置は1933万5千円増加するとした。サービス付き高齢者向け住宅の場合、介護保険や医療保険などが移住者の前住所地の自治体負担となり、市の財政負担増につながらないとしている。

 こうした財政・経済効果を踏まえ、市が進める日本版CCRCの基本コンセプトとして(1)最後まで自宅で住み続けられるメディカルタウン構想(2)東北公益文科大との連携によるカレッジタウン構想―の2点を考察。医療・介護体制づくりが移住成功の必要条件として、八幡病院と連携した地域包括ケアシステムを構築することを目的に、メディカルタウン構想の推進を位置付けている。

 今回の中間報告を受け、市は「移住希望者のニーズに応えられる地域資源や魅力があり、事業の可能性が高いことが確認された」と説明。市は来年度、首都圏に窓口を開設し、移住者を募集する方針を示している。