赤字穴埋めが市財政圧迫 尾道市民病院 

2016.03.13

[フロントライン備後] 赤字穴埋めが市財政圧迫 尾道市民病院 厳しさ増す経営 医師不足・患者減…見えぬ打開策
2016.03.11 中国新聞


[フロントライン備後]

赤字穴埋め 市財政圧迫

尾道市民病院 厳しさ増す経営

医師不足・患者減 見えぬ打開策

 尾道市民病院(同市新高山)の経営が厳しさを増している。市は2月に可決した2015年度一般会計補正予算で、病院会計の不足分を穴埋めする負担金4億円を追加支出。16年度一般会計当初予算案では、負担金は11億円超に上る。医師確保や患者数の減少などの課題に、解決の糸口を見いだせていない。(村島健輔、新山京子)

 「厳しい厳しいだけじゃ前には進まない」。16年度の予算案を審議する10日の市議会予算特別委員会。医師確保の困難さを説明する市側に対し、市議から声が上がった。

 市によると14年度の市民病院の実質的収支は、約1億8400万円の赤字。15年度は入院収益が当初見込みを約4億6千万円下回る見込みとなり、一般会計補正予算で負担金4億円を繰り出した。市民病院の中司善章事務部長は「緊急避難的な措置として追加の負担金をお願いした」と説明する。

 この結果、当初予算への計上分も含め、15年度の負担金は約11億円に上る。16年度当初予算案には11億7500万円を計上した。市財政を圧迫する状態が続く。

入院 想定下回る

 市は収支悪化の理由について「医師不足の影響で入院患者が減少した」とする。14年度末時点で45人いた常勤医師は現時点で42人。市は15年度の入院患者数を、当初の想定を6519人下回る8万3151人と見込む。

 入院患者数は13年度から減少傾向にあり、15年度は12月までの1日平均が221人と、12年度の86%まで落ち込んだ。松谷勝也庶務課長は「医師が減ったため手術件数も減り、入院患者数に影響している」と説明する。

 市民病院の許可病床数は330だが40床は「休床」としており、実際に使えるのは290床。病院事業への交付税額は、15年度から許可数でなく稼働数に基づいて算定される。16年度から3年間は緩和措置が適用されるものの、減額になる方向だ。

「痛み伴う改革」

 早急な対策が求められる中、市は16年度中に公立病院改革プランを策定する予定。15年9月には担当参事を配置した。しかし、病院の機能や病床数は、15年度中に策定予定の県の地域医療構想が基本となる。県の構想に沿った改革プランを策定する必要もあり、スピード感のある対応ができるかどうかは不透明だ。

 予算特別委で片岡幹男病院事業管理者は「痛みを伴うような改革も必要だと思っている」と決意を述べた。市財政への影響を拡大させないためにも、実効性のある対策が求められる。