群大病院 申請せず 「がん診療連携拠点」の再指定 新年度

2016.02.01

群大病院 申請せず 「がん診療連携拠点」の再指定 新年度
2016.01.31 上毛新聞



 医療事故を受け、診療報酬加算などの優遇がある「がん診療連携拠点病院」の指定を外れた群馬大医学部附属病院(前橋市)が、新年度からの再指定を申請していなかったことが30日までに分かった。4月以降も指定のない状況が続くことになる。同病院は現在も県内の拠点病院を取りまとめる役割を担い、がん診療自体に大きな支障はない。ただ、同病院と連携する医療機関も診療報酬の加算を受けられず、地域医療への影響を懸念する声もある。

 拠点病院は要件を満たした病院を都道府県が推薦し、厚生労働省が指定する。群馬大病院は、肝臓などの手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で第三者委員会による調査が続いているとして県に再指定の申請をせず、29日に開かれた拠点病院の指定に関する厚労省の有識者検討会に推薦されなかった。

 群馬大病院は県内の拠点病院をまとめる「県がん診療連携拠点病院」に指定され、人材研修や他病院への情報提供を行ってきた。本年度は指定を外れたことで国からの約1900万円の補助金がなくなり、診療報酬加算も受けられなくなったが、自主財源でこうした事業を続けている。

 一方で、影響は他の医療機関にも及ぶ。拠点病院の指定を受けると、拠点病院を退院したがん患者を受け入れる医療機関にも診療報酬の加算がある。群馬大病院が拠点病院でなくなったため、連携する医療機関が加算を受けられない状況となっている。

 県がん対策推進室は「医療安全面の体制をしっかり立て直した上で、再び指定を受けられるよう努力してほしい」とする一方、群馬大病院以外に影響が及んでいる現状を懸念。「引き続き本県のがん診療の中核を担えるよう、県としても対策を検討したい」とした。

 群馬大病院は、再指定の申請について「医療事故調査の結果が出てから検討する」とコメントした。

 現在、県内のがん診療連携拠点病院は9病院。拠点病院に準ずる病院として県が指定する「推進病院」は7病院ある。

 厚労省は昨年6月、群馬大病院のガバナンス(管理運営)が十分に確立されていないなどとして、拠点病院の指定不更新を決定。同病院は4月1日にさかのぼり指定を失った。