風邪を診断するためには、症状の理解が必要

2016.01.25

(医の手帳)風邪:2 原因はウイルス、細菌感染との見極め大事 /新潟県
2016.01.23朝日新聞

 風邪を診断するためには、症状の理解が必要で
す。まずは、典型的な症状を挙げてみます。最もよく見られる症状は、鼻づまり(鼻閉)です。そのほか、のどの痛み、せき、そして全身の倦怠(けんたい)感などがあります。鼻閉感や鼻水、くしゃみなどは比較的初期の症状です。


 通常、風邪は重篤な病態にいたることはなく、合併症を引き起こすこともありません。普通は3~7日ほど症状が続いたのちに改善します。ただし、せき、鼻水、鼻づまりといった症状は、2週間ほど続くこともあります。

 このような風邪の原因には、200以上のウイルスが挙げられます。けれど、症状からだけでは、様々なウイルスの中から特定の原因ウイルスを見つけ出すことは難しいのが現状です。また、見つけ出す意味もありません。こういったウイルスに対する特定の治療は存在していないためです。

 ここで、風邪と区別しなければならないのが、細菌感染による疾患です。ウイルス感染が通常、自然に治るのに対して、細菌感染は無治療では、特に高齢者は、悪化する可能性があり、症状も重篤なことが多いためです。また、風邪の合併症となることがある下部呼吸器感染症と呼ばれる「肺炎」あるいは「気管支炎」にも注意が必要です。

 ただし、ウイルス感染と細菌感染とを見分けるのは、簡単ではありません。一般の方々が判断する際に重要なのは、その重篤感、そして経過に伴う症状の悪化を観察することです。先ほど挙げた期間を超えても発熱が続く、あるいは症状が悪化してくる場合、これは風邪の診断が間違っているか、何らかの細菌感染を合併した可能性を考える必要があります。

 ここからは、医師の出番となります。肺炎かどうかの診断には肺の聴診やX線、細菌感染や他の内科疾患を疑う場合には、一般血液検査などを実施し、隠れた疾患を見つけることになります。

 <新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院 石山貴章医師(総合診療科)>