新日本監査への行政処分を勧告 東芝手続きで重大不備

2015.12.16

新日本監査への行政処分を勧告 東芝手続きで重大不備 
 
2015/12/15 日本経済新聞



 公認会計士・監査審査会は15日、東芝を監査した新日本監査法人に行政処分を科すよう金融庁に勧告した。東芝に対する監査手続きに重大な不備があり、リスクの認識が甘かったと判断した。勧告を踏まえ、金融庁は月内にも業務改善命令や新規業務の一部停止といった処分内容を決める。

 東芝の会計不祥事は総額2248億円に膨張。審査会は9月中旬から12月上旬まで東芝を含めた大企業数社に検査官を派遣し、新日本の監査体制について調べあげた。

 個別企業への監査では東芝問題を主に点検した。審査会幹部は「多数の異常値を把握していても、実証手続きをしていなかった」と指摘。水増しした利益などの虚偽記載を検証しなかった上、会社側の財務担当者の説明をうのみにするケースがみられたという。新日本の審査体制は「重要な判断を客観的に評価できず十分に機能していない」(同幹部)と認定した。

 審査会による新日本の検査は今回5回目。過去に指摘した複数の事項も改善がみられず、「運営が著しく不当」(同)として処分勧告に踏み切った。今回の東芝問題は新日本側が故意だったかが焦点。金融庁は業務改善命令を軸に、さらに新規業務の一部停止や課徴金処分も慎重に検討している。

 一方、新日本は英公一理事長直轄で監査の品質をチェックする部署を設ける。同様の業務を担う職員を増やすとともに内部検査などの権限も集中させる。人事評価についても新規業務の受注より監査の正確性を重視するように改め、再発防止に向けた風土改革を急ぐ。