診療報酬改定、「門前薬局」に照準 財制審

2015.11.30

診療報酬改定、「門前薬局」に照準 財制審 
 
2015/10/30 日本経済新聞





 財務省は30日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、医師や薬剤師に支払われる診療報酬について、2016年度の改定に向けた基本方針を示した。医師への技術料である診療報酬本体は「一定程度のマイナス改定が必要だ」と指摘した。

 政府は診療報酬を2年に1回改めている。診療報酬が1%下がると医療費は4300億円減り、患者の自己負担も軽くなる。診療報酬本体がマイナス改定となれば10年ぶり。厚生労働省や医師会と年末にかけ調整する。

 財務省は、調剤薬局で多額の無駄がでていることにも切り込む。調剤報酬は14年度に約1兆8000億円と10年前に比べて5割増えた。おなじ薬を使う場合に病院の前に店舗を構える「門前薬局」の調剤報酬が、病院内の処方よりも割高な点が問題だとみている。

 財制審では大型の門前薬局の収入を抑えるよう提案。「お薬手帳」で服薬履歴を継続的に管理する薬局には報酬を手厚くしたり、割安な後発医薬品の使用が60%未満の場合に収入を減らす制度の導入も求めた。

 医者と薬局を分ける医薬分業は1974年に始まった。当時は薬の専門家が患者に助言した方が治療の効き目が高いとみていた。だが同省は「患者に指導する医薬分業の目的が形骸化している」(幹部)とみる。分業率は14年度に68.7%まで進み、調剤報酬が右肩上がりで増える原因のひとつだ。

 厚労省は門前薬局の改革では財務省と足並みをそろえるが、診療報酬本体の引き下げには反対だ。来年夏の参院選を控え、与党からも引き上げを求める声が強まるのは必至で年末の予算編成の最大の争点になりそうだ。