病床減 各地から不安の声*道の地域医療構想 議論が本格化

2015.11.23

病床減 各地から不安の声*道の地域医療構想 議論が本格化
2015.11.21 北海道新聞


 道が来年夏までに策定する2025年の医療体制の具体像「地域医療構想」をめぐり、道内21の2次医療圏ごとの議論が本格化している。道の意見集約や公開された議事録によると「自治体病院でのベッド(病床)減が危惧される。地域医療を守れるのか心配だ」などの声が上がっている。

 道は構想の前提として、25年に道内全体で必要となる病床数を、人口減少などで13年より1万~1万5千床減ると推計した。現在はこのデータを基に、各医療圏の調整会議で、重症患者向けの急性期やリハビリを担う回復期など機能別の病床数を定めている段階だ。

 会議は20日までに札幌(石狩管内)を除く20医療圏で開かれた。必要となる病床が45・6%減と推計された南檜山では、町立病院の院長が「病床をなるべく多く残してほしい」と訴えた。ほかの医療圏では病床削減について「経営に直結する」「中核病院がきちんとしていれば可能」との意見が出た。

 国は病床について、慢性期の患者をできるだけ在宅医療や介護に移すことを促し、診療報酬が多い急性期から高齢化で需要が高まる回復期への転換も求めている。留萌の会議では「在宅医療や介護の体制が整わないまま病床調整が進むのは問題だ」との指摘があった。回復期への転換については複数の医療圏から「病院経営が厳しくなる」との声が上がった。

 過疎地では医師や看護師不足から病床を「休眠」させている病院があり、「器はあるが、働く人がいない」との訴えも目立った。

 道は病床について削減や機能移転を強制する権限を持っていない。このため構想策定後は、各医療圏の病院などが話し合いで病床の分担を決める。道地域医療課は「医療需要が減るのは避けられない。介護の充実を図りつつ、地域事情に合った医療体制をつくりたい」と話す。(報道センター 佐藤陽介)

◇地域医療構想◇

 昨年成立した地域医療・介護総合確保推進法に基づき、都道府県が策定する医療体制のビジョン。2025年の医療需要を推計し、《1》高度急性期《2》急性期《3》回復期《4》慢性期-の各病床の必要数や分担への取り組みを定める。道は25年に必要となる道内の病床数について13年より少なくとも12・6%減ると推計。2次医療圏別では北渡島檜山が45・9%、南檜山が45・6%の大幅減。いびつな病床機能の是正や医療費抑制が狙いとされる。

*各医療圏の調整会議における意見

<病床削減>

 減らした病床は戻らないので慎重に

 自治体病院での削減を危惧

 住民との協議が必要

 人材不足で病床を制限している病院があるのに病床を維持できるのか

 介護が整わない中で減らすと患者の行き場がなくなる

<病床転換>

 回復期を確保すると財政的に厳しい

 急性期を強制的に減らすと地域の病院として機能しない

 疾患が複雑化する中、転換は難しい

<その他>

 医師、看護師、介護従事者が不足