県立3病院 病床利用率落ち込み 医師数減 受け入れ難で収支悪化=栃木

2015.10.26

県立3病院 病床利用率落ち込み 医師数減 受け入れ難で収支悪化=栃木
2015.10.23 読売新聞



 岡本台病院、がんセンター、とちぎリハビリテーションセンターの県立3病院の病床利用率が落ち込んでいる。医師の退職が続き、入院患者を受け入れられないことなどが理由という。県が公表した2014年度の経常収支は13年度より1ポイント低い96・7%となり、4億6800万円の赤字。特に医業収支比率が6・3ポイント減の73・7%と落ち込みが目立った。

 県保健福祉課によると、がんセンターでは、医師の定員65人を満たせない状態がここ数年続いており、昨年度も1年間で4人減って53人となった。

 頭頸(けい)科で常勤医師がゼロになり、入院の受け入れ停止に追い込まれ、腫瘍内科でも医師の減少に伴い、入院患者も減っている。病院全体の入院患者数は7万3113人と前年度比で8%減った。

 岡本台病院でも、昨年度だけで、12人の医師が9人に減った。精神科のみの病院で、医師が別の医療機関へ移ると、患者も移籍先で受診する傾向があり、患者が減って病床利用率は6割台に落ちた。

 リハセンは医師の定員は満たしているが、入院患者は4%減った。外来患者は4%増えたものの、医業収支は悪化した。

 同課担当者は、「医師の数は収益に直結するので、医師の減少は痛い」と話す。病院幹部と共に県内外の大学病院の医局に派遣の依頼に赴いているが、目立った効果は上がっていない。自由に給与を設定できないため、処遇面で民営の医療機関と比べて不利なことも影響しているという。

 佐野市民病院でも、医師不足が続いている。同市市民病院管理課によると、17科のうち、入院を受け入れられるのは7科だけ。常勤医師が14人しかいないためで、毎年市が数億円の損失補填(ほてん)をしているという。

 一方、新小山市民病院は自治医大病院と協定を結び、医師の派遣を受けることで12年度の34人から48人に増えた。13年度からは黒字に転換しているという。

 ◆高齢化で需要拡大 医師数追いつかず

 厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、県内の人口10万人当たりの医療施設医師数は、2000年の180・1人から12年には205人に増えている。

 しかし、とちぎ地域医療支援センターによると、医師の専門分化が進んでいるため、高齢化の進行に伴う医療需要の拡大に医師の数が追いつかないという。