協立病院分娩中止 県都 迫るお産危機 開業医高齢化、今後も 利用者「施設減に不安」

2015.10.23

協立病院分娩中止 県都 迫るお産危機 開業医高齢化、今後も 利用者「施設減に不安」
2015.10.20 東奥日報 


 20年以上にわたり、東青地区の妊婦のお産を担ってきたあおもり協立病院(青森市)が来年3月で入院分(ぶん)娩(べん)を中止することについて、県内の医療関係者は「開業産科医も高齢化しており、今後市内での分娩取りやめが続く可能性は否定できない」と説明した。一方、県内の女性は「お産施設が減ることに不安を感じる」と本音を打ち明けた。



 「民間開業医の減少によって八戸市民病院の分娩数が急増した。これと同じように、青森でも今後、民間の分娩休止が続くことによって、県病、青森市民病院で、民間分を引き受けなければならなくなる可能性はある」。こう指摘するのは、県内公立病院に勤める周産期医療関係者。「今後は既存の開業医の意向を注意深く見守りながら、公立病院の施設整備をどのように進めていくか検討しなければならない」とも語った。

 県内のベテラン産科医は「現在は医師1人でお産を行う時代ではない。チームで行わないと、医療の安全を確保できない」と、協立病院の対応に理解を示した。

 協立病院の今淳一事務長は「開設から21年間、低所得の妊婦に対応するなど、地域に果たしてきた役割は大きい。できれば分娩を続けていきたいのだが…」と悔しさをにじませ、同病院産婦人科常勤医の平岡友良医師は「地域医療のために産科医の育成は急務」と訴えた。

 県内の分娩施設は減少傾向にある。国保黒石病院が今春から産科を休止。県の資料によると、県内の産科施設は、旧3市と五所川原、十和田、三沢、むつ、五戸の8市町にある28施設で、9年前より11施設減っている。

 4人の子どもを協立病院で出産したという青森市の女性(41)は「協立病院は、陣痛促進剤を極力使わず、母乳を推進するなどしていたので信頼していた。残念」と声を落とした。さらに以前、住んでいた野辺地町の野辺地病院が2005年に分娩をやめたことに触れながら「野辺地の母親は、子どもを持つことに躊躇(ちゅうちょ)していた。分娩施設の縮小は少子化に拍車をかける。行政には妊婦の不安を取り除くように手を打ってもらいたい」と要望した。