夜間休日、軽症なら時間外料金 石巻赤十字病院、県内初 来月から2700円/宮城県

2015.09.04

夜間休日、軽症なら時間外料金 石巻赤十字病院、県内初 来月から2700円/宮城県
2015.09.03 朝日新聞



 石巻赤十字病院(石巻日赤)は10月1日から、夜間や休日に受診した軽症患者に対し、時間外料金2700円を請求する。安易な時間外受診を減らし、緊急性の高い重症患者の診療に力を注ぐ。


 ■救急車搬送や高齢者も対象

 石巻日赤の石橋悟・救命救急センター長が2日、記者会見し、説明した。時間外料金の設定は県内では初めてという。

 平日午後5時~午前8時半、土日祝日、年末年始、創立記念日(5月1日)に受診した軽症者が対象となる。救急車で運ばれた場合や、高齢者、生活保護受給者も対象になる。

 入院が必要▽他の医療機関の紹介状を持参▽労災や交通事故で緊急処置が必要▽中学生以下、といった場合は対象外になる。

 診察前に病院職員が来院者へ時間外料金について説明し、診療費とは別に請求する。金額は、平日の日中に紹介状なしで受診する際の加算料金と同額にした。

 石巻日赤によると、重症の救急患者を受け入れる医療機関では、時間外料金の設定が一般的。4月に導入した諏訪赤十字病院(長野県諏訪市)は4050円を徴収している。


 ■「コンビニ受診」増、重症患者にも影響

 石巻日赤で昨年度、夜間・休日に受診した患者数は、県内最多の2万5千人余で、震災前の約1・4倍だった。津波で近隣の医療機関の多くが被災したことで増え、その後も高止まりしている。

 ただ、8割以上は入院の必要がない軽症者で、「昼間は仕事が忙しい」「風邪をひいた」「包丁で指を切った」などの理由で来院するケースもある。待合室に順番待ちの列ができたこともあった。このため、救急車で運ばれてきた骨折者の受け入れを断って仙台方面に行ってもらうなど、重症者にも影響が出ているという。

 10月4日には病院のすぐ近くに三陸道の石巻女川インターチェンジが開通する。交通の便がよくなることで、軽症者を含めた来院者の増加も見込まれる。

 一方、石巻日赤は緊急性が高い重症者を受け入れる態勢を強化する。10月1日には新しい救命救急センターを稼働させ、ベッド数を10床から24床へ増やす。救急用のCT室や手術室も設ける。「コンビニ受診」の増加は救急医療態勢を崩壊させかねない。

 石巻市と周辺では現在、休日・夜間について、重症者は石巻日赤、軽症者は市夜間急患センターや休日当番医が診ると決めている。

 急患センターは津波で被災したが、その年の12月に移転再開した。移転場所があまり知られていないようで、昨年の利用者数は震災前の6割弱の約8500人にとどまっており、受け入れ態勢には余裕がある。いずれの医療機関も石巻日赤と連携しており、必要に応じて紹介も受けられる。

 石巻日赤の石橋・救命救急センター長は「具合が悪い時は、医療機関へ行くのを我慢するのではなく、急患センターを利用してほしい」と強調。「石巻日赤が重症者の診療に特化していくことが、地域医療全体の向上につながる」と述べ、時間外料金制度の新設に理解を求めた。(茂木克信)