特集◎地域を支える主治医の条件《Vol.3》 我々が考える主治医のモデル像を示した 宇都宮啓氏(厚生労働省保険局医療課長)に聞く

2015.08.26

特集◎地域を支える主治医の条件《Vol.3》

我々が考える主治医のモデル像を示した

宇都宮啓氏(厚生労働省保険局医療課長)に聞く


2014/5/9

吉良 伸一郎=日経メディカル 
 




 新設された主治医報酬に対しては、「算定要件が厳しい」「医薬分業推進の方針を転換したのか?」といった声が現場から寄せられている。今回の改定を担当した厚生労働省保険局医療課長の宇都宮啓氏に、創設の狙いや算定要件の意味するところを語ってもらった。


 今回の改定で、主治医機能の評価(地域包括診療料と地域包括診療加算)を設けたのは、自分の専門領域以外の疾患でも相談に乗ったり、適切な医療機関を紹介するなど、1人の患者をトータルに診る医師(医療機関)を評価したいと考えたからだ。外来患者が在宅医療を要する状況になっても、引き続き対応してほしいとの考えから、在宅医療の実施も算定要件に加えた。

 

 「トータルに診る」と言うと、専門医制度の「総合診療専門医」を意味するのかとよく尋ねられるが、我々が示した「主治医」と医師の専門科目は関係なく、どんな科の医師であっても要件を満たせば主治医になり得る。

 また、患者を主治医に登録させて大病院への受診のゲートキーパーとする「登録医制度」と関連付けて見られることもあるが、そのような狙いは全くない。患者を強制的に登録させても、患者がその医師を信頼できなければ、当然他医を受診しようとすると思われ、うまくいかないと考えている。患者と医師の相性もある。

 算定要件に関して、院内処方を原則としているが、これは「院内の薬剤師をもっと活用して連携してほしい」というメッセージを込めたものだ。

 継続的に外来で管理している患者が倒れて入院してくるようなときに、他院からの処方薬も含め、どんな薬を服用しているのかを自院の薬剤師が全く把握できていないというのでは困る。そのため、算定患者については原則院内処方とし(算定患者以外は院外処方で可)、処方薬を一元管理してほしいと考えた。医薬分業を否定する意図ではないことを強調しておきたい。

 今回の点数で示したのは、我々が考える主治医のモデル像だ。算定要件はあえて厳しく設定している。初めは高いハードルを乗り越えられる施設に算定してもらい、その後はモデル的な取り組みを徐々に広げていくことができればと考えている。(談)