医師の偏在解消で緊急提言  日医・全国医学部長病院長会議

2015.08.22


医師の偏在解消で緊急提言  日医・全国医学部長病院長会議
2015.08.21 日刊薬業 



 日本医師会と全国医学部長病院長会議は19日、医師の所在の把握やキャリア形成の支援を図る「医師キャリア支援センター」の設置などを柱にした「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」の骨子を発表した。現状の医師不足の本質は、医師の地域・診療科偏在であるとの立場を明確にした上で5つの方策を示した。日医の横倉義武会長は会見で「今後の骨子を基にさらに検討を続け、国に提言していきたい」と話し、さらなる検討に意欲を見せた。

 日医と同会議は3月に「医師偏在解消策検討合同委員会」を発足させ、偏在是正に向けた議論を進めてきた。今回の会見で示されたのは骨子の位置付けで、正式な提言は今後の検討を踏まえて発表される見通し。

●医籍登録番号活用で医師の異動を把握

 骨子に盛り込んだ方策のうち、医師キャリア支援センター構想は、各大学にセンターを設け、全ての医学生、卒業生が登録する仕組み。各センターは医師の異動を生涯にわたって把握し、研修医マッチング、臨床研修、生涯教育など医学生・医師のさまざまな機会で相談に応じてキャリア形成を促す。医籍登録番号を活用して、医師の異動を把握するという。

 2つ目の柱は臨床研修を原則として出身大学の地域(出身大学の関連病院のある範囲を含む)で行う取り組みを提言。ただ、強制的に実施せず、あくまで地域への愛着などを育むことで臨床研修の意欲を高めて実現させるという。臨床研修医の需給が均衡していない地域では、全国の支援センターをつなぐ組織として新設する「全国医師キャリア支援センター連絡協議会」(仮称)が需給調整を支援するという。

●医療機関の管理者要件に「医師不足地域の勤務経験」

 骨子では地域・診療科偏在の解消に向けて「医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」との姿勢を明示し、病院・診療所の管理者要件に「一定期間、医師不足地域で勤務した経験があること」を新たに加える方針を盛り込んだのも特徴。

 このほか、地域医療支援センターが医師会などと協力することで把握した各地の医療需給に関するデータを活用して、各地域・各診療科(基本領域)の望まれる医師配置に自主的に収斂させる取り組みも紹介。医学部入学定員の削減と新たな医学部新設認可の差し止めも求めた。【MEDIFAX】

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