(迫る2025ショック)在宅医療・介護充実へ本腰 県医師会 

2015.08.10

 

(迫る2025ショック)在宅医療・介護充実へ本腰 県医師会 /神奈川県
2015.08.07 朝日新聞



 団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」に対応しようと、県医師会は在宅医療を充実させる施策に本格的に乗り出す。県の支援を受けて10月にも、「在宅医療トレーニングセンター(仮称)」を設置。情報通信技術を利用した在宅医療・介護の連携システムの運用も始める。

 県立保健福祉大実践教育センター(横浜市旭区)内に設ける「在宅医療トレーニングセンター」には、(1)講義室(2)医療系の実習室(3)介護系の実習室を作る。

 風呂やベッドなど、居住空間を再現し、在宅医療・介護に関心のある医師や看護師、介護士らが、点滴や身体介助など、在宅医療・介護の実習をできるようにする。患者を模した人形(シミュレーター)を置き、救急蘇生などの訓練もできるようにする予定だ。

 医療職や介護職ら多職種で研修できるようにして、10月から年度内に、約20回の研修を開く予定という。

 一方、情報通信技術を使ったシステムの事業は、秦野市をモデル地区に始める。秦野市内の病院や診療所、訪問看護ステーションなどが患者の情報を共有し、効率的なケアができるようにする。効果を検証し、来年度以降、徐々に県内全域に広げていくという。県医師会の増沢成幸理事は「2025年問題への対応は急務だ。今後も積極的に対策を進めていきたい」と話す。

 県歯科医師会も、県と連携し、要介護度が重い在宅患者を、休日急患歯科診療所で診療する取り組みを始める。通常の訪問診療では医療機器がないために対応が難しい、歯全体のX線撮影や、外科処置に対応できるという。

 全国で約650万人いるとされる団塊世代がすべて75歳以上になる2025年には、病院のベッドや介護施設が大幅に不足するため、在宅医療・介護の体制整備が急務だ。横浜市や横須賀市などの医師会は数年前から行政と連携し、在宅医療拠点の整備などを進めてきたが、県医師会としても対策を本格化する。

 財源は、消費増税分などで国・県が積み立てた地域医療介護総合確保基金を使う。県の6月補正予算に約7600万円を計上した。(佐藤陽)