病床再編「公立病院が厳しい時代に」  日医・中川副会長

2015.07.07

病床再編「公立病院が厳しい時代に」  日医・中川副会長
2015.07.06 日刊薬業


 日本医師会の中川俊男副会長は2日、日医主催の都道府県医師会「地域医療構想策定研修」で、地域医療構想に基づく病床再編について、新たな公立病院改革ガイドライン(GL)などを踏まえ「公立病院の方が厳しい時代になると思う」と述べた。

 来場者からの質問に答えた。中川副会長は新たな公立病院改革GLに基づき、公立病院の運営費に関する地方交付税措置については、今年度から算定基礎を許可病床数から稼働病床数に変更されたことなどに触れ「公立病院では使っていない病棟を減らしていくことが始まると思う」と指摘。民間病院はこうした流れも踏まえた上で「自分の病院が置かれている地域の客観的なデータが出てくる。それを見て、相談して共倒れしないようにやっていこうということだ」と述べた。

 診療報酬による病床再編の誘導に関する質問に対しては「不足する機能は地域によってばらばら。全国一律である診療報酬で誘導するのは不可能」と述べるとともに「どんな機能を持っても経営が成り立つような診療報酬体系にすべきと一貫して主張してきた。その背景の下に、自院がどの機能を持つべきか判断することになる」と述べた。

●政府の必要病床数推計にあらためて懸念

 また、政府の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」が公表した2025年の医療機能別必要病床数の都道府県別推計について「必要病床数は構想区域ごとに算出するものであるので、都道府県単位で推計することに意味はない」と言及。都道府県単位で既存許可病床数と2025年の必要病床数を比較することには「ある県で2025年までに○○病床を削減しなければならない、と考えるのは間違い」と懸念を示した。 

 厚生労働省医政局地域医療計画課は先月18日付で、同調査会の推計値が「○○床削減しなければならない」というような誤った理解につながらないように呼び掛ける文書を都道府県に出している。同日の研修で講演した同課の北波孝課長は公表された推計値について「私どもも参考値としての位置付け。落ち着いた対応をする必要があると考え、都道府県宛てにメッセージを送らせてもらった」と文書を出した趣旨を説明した。

 今回の研修は地域医療構想の円滑な策定に役立ててもらおうと開かれ、厚労省が6月に開いた都道府県対象の研修会と同様の資料が使用された。【MEDIFAX】