今年10月施行の医療事故調査制度に対応、1年間で最大500万円 日本医師会、全診療所と99床以下病院の院内事故調査費用を補償

2015.07.09

今年10月施行の医療事故調査制度に対応、1年間で最大500万円

日本医師会、全診療所と99床以下病院の院内事故調査費用を補償

100床以上の会員への補償は今後の課題に


2015/7/1

満武里奈=日経メディカル 

 

 会見する日本医師会常任理事の今村定臣氏。

 日本医師会はこのほど、今年10月に開始する医療事故調査制度の院内事故調査で掛かった費用を補償するための保険を創設することを明らかにした。7月1日の定例会見で発表した。

 補償対象となるのは、日本医師会A1会員(病院・診療所の開設者、管理者またはそれに準じる会員)のうち、全ての診療所と99床以下の病院の開設者と管理者。開設形態が個人か法人かは問わない。対象会員数はおよそ7万7800人でカバー率は94%。

 新たな保険料は徴収せず、会費収入でまかなうという。

 院内事故調査のうち支払い対象となるのは、遺体の保管、搬送、Ai(死亡時画像診断)、解剖、外部委員への謝金や交通費など、医療機関が外部に支払った費用。1回の院内事故調査に掛かる費用は100~200万と想定しており、年間で最大500万円までを補償する。

 日本医師会が保険契約者となり、対象となるA1会員を被保険者とする契約を保険会社と契約することになるという。管理保険会社は東京海上日動で、そのほか損保ジャパン日本興亜などが参加する予定だ。

 日本医師会常任理事の今村定臣氏は「院内事故調査に掛かる費用については、財政的な支援を確保するよう多くの要望を会員からいただいていた。会費を増額せずに、院内事故調査費用を補償できる新たな仕組みを保険会社と交渉した結果、99床以下であればカバーできるという判断になった」と説明した。

 なお、100床以上の会員への補償については今後検討するという。

 医療事故調査制度は、病院、診療所または助産所で「予期せぬ死亡事故」が発生した場合に、民間の第三者機関に報告し、事故の原因究明と再発防止を目的とした院内調査を実施することを義務づける法律。2014年6月に医療事故調査制度を盛り込んだ改正医療法が成立しており、今年10月に施行されることが決定している