10年後の病床、3600床不足 団塊高齢化で県の整備急務 政府推計 

2015.06.30

 
10年後の病床、3600床不足 団塊高齢化で県の整備急務 政府推計 /埼玉県
2015.06.29 朝日新聞



 2025年の医療機関の入院ベッド数について、県内では最大5万4200床必要になることが政府の推計で明らかになった。今よりも3600床の整備が必要になる計算だ。「団塊の世代」の高齢化をにらみ、県は新たに誘致する順天堂大医学部付属病院の整備などで病床を増やしていく考えだが、なおも整備が追いつかない実態が明らかになった。


 政府が15日に公表した。昨年6月に成立した地域医療・介護推進法で、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年に備え、都道府県は「地域医療構想」を策定することになっている。今回の推計は、策定の材料として示された。

 推計によると、県内には一般病床と療養病床が13年10月1日時点で約5万600床あるが、10年後には5万4200床~5万3100床必要になる。

 内訳では、ICU(集中治療室)を含む最も手厚い「高度急性期」が5500床、病気になったり手術をしたりした直後の「急性期」が1万8千床、リハビリテーションなどをする「回復期」が1万6700床、長期療養の「慢性期」が1万4千床~1万2900床となっている。

 全国的には人口が減少するなどの影響で、今後10年でベッドが余る傾向にあるが、団塊の世代の地元回帰により、埼玉を含む首都圏(1都3県)では逆にベッドが不足する。25年には、10年に比べて県内の75歳以上の人口が58・9万人から117・7万人へと倍になるという厚生労働省の推計もあり、こうした急速な高齢化がピークを迎える「2025年問題」を見据え、医療ニーズは今より高まることが予想される。

 県がさいたま市に誘致した病床数800を持つ順天堂大医学部付属病院が20年度に完成する。県保健医療政策課は「高齢化に伴って病床がより必要になるのはすでに明らかだった。県内のニーズに応じて計画づくりを進めていきたい」としている。(有近隆史)