粟島の魅力 地域で共有

2015.06.26

  
<4>粟島の魅力 地域で共有
 

2013年02月09日


村上市の岩船港からフェリーで1時間半の距離にある粟島浦村。美しい自然を求めて毎年2万人以上の観光客が訪れるが、地元の若者は就職や進学のため島を離れ、人口は40年前の半数の約350人にまで減少している。下越地方の観光資源である離島の活気を取り戻そうと、村上市のNPO法人による観光振興やかつて島に生息していた馬の復活など、島と本土が連携した挑戦が続いている。

 「粟島の活性化は港がある村上市や近隣の関川村への誘客にもつながる」。村上市のNPO法人「都岐沙羅(つきさら)パートナーズセンター」の高橋緑さん(38)が力を込める。

 同NPOは1999年に発足し、村上市と関川村、粟島浦村の「岩船地域」の振興に取り組む。昨年夏には村上市などの小学生10人が島に宿泊するツアーを企画。子供たちは干物作りや漁師の作業などを体験し、自然や生き物との触れ合いを楽しんだ。帰り際、子供たちは「もっといたかった」「また絶対来たい」などと話し、粟島が大好きになった様子だった。

 他にも、村上市に島民を招いて島の生活や観光を紹介してもらい、「わっぱ煮」などの粟島名物を味わう食事会を開くなど、自治体の枠を超え、結び付ける活動を展開している。

 島民にも、下越地方をはじめ県内外から誘客したい思惑があり、同NPOや旅館組合の取り組みなどを通して受け入れ態勢を整え、新たな観光資源の創出を模索している。その目玉が、かつて島に生息していた「粟島馬」の復活事業だ。

 「観光客だけでなく、島の子供や住民も馬に触れて癒やされている。粟島馬は島の活性化のカギです」。海岸沿いにある「あわしま牧場」のスタッフで、東京都出身の田中歩さん(26)は、馬のたてがみに優しくブラシをかけた。

 粟島馬は昭和初期に絶滅した。村は馬を島のシンボルとして復活させようと、2011年4月に沖縄県のNPO法人から北海道産の「どさんこ」を購入し、飼育をスタート。島民は畑で抜いた草を与え、子馬の誕生を皆で見守った。

 現在、島では13頭が飼われ、観光客が牧場で触れあったり、背中に乗って島を巡ったりできる。田中さんは「豊かな自然に囲まれ、島の人の温かさに触れられる粟島の魅力を日本中に発信したい」と事業に打ち込んでいる。

 都岐沙羅パートナーズセンターもこの新たな観光ブランドに着目しており、高橋さんは「離島と周辺自治体を巻き込んだ連携を後押ししたい」としている。

2013年02月09日


/////////////////////////////////////////////////////信越に息づく「午」 粟島馬の復活 子供らが命の大切さを学ぶ 新潟

本海に浮かぶ小さな島、粟島(粟島浦村)は、子供たちに馬と触れ合うことで命の大切さを学ぶ教育に力を入れている。

村上市の岩船港からフェリーで1時間半、島の東海岸にある内浦港から海沿いに十数分歩くと「あわしま牧場」が見えてくる。砂を深く敷きつめた馬場は、サッカー場を狭くしたような長方形で、子供たちが真剣な表情で馬に乗っていた。

村教育委員会が今年度から始めた「粟島しおかぜ留学」の生徒らだ。粟島浦小中学で学び、牧場に通う留学制度で、兵庫、大阪、東京、福島の各都府県から小学生1人と中学生5人が1年間の予定で寮生活を送っている。

福島市から参加した小学5年生、菅野優杏(ゆあん)さん(11)は6歳の雌馬のテンに乗り、馬場の中をぐるりと回った。12月上旬の週末は海風が強く、小雪がちらつく中でも気にするそぶりは見せない。留学生仲間とともに、牧場のインストラクター、田中歩さん(27)のレッスンを受けて上達した。菅野さんは「最初は怖かったけど、今は楽しいと感じられるようになった」と言ってテンを優しくなで、田中さんも「馬と触れ合う子供たちの笑顔を見るのが好き」とほほ笑んだ。

島の面積は10平方キロで、平成22年の国勢調査では人口366人。村教委や粟島観光案内所などによると、平安時代末期、源義経が奥州へ逃げた際に手放した馬が島へ泳ぎ着いたという伝説が残され、明治期には60~70頭が生息していたとされる。

昭和7年、西海岸の釜谷地区の馬を最後に生存は途絶えたが、現在の本保建男村長が「原風景を取り戻したい」との思いから、馬を活用した環境教育に力を入れるNPO法人インフォメーションセンターの寄田勝彦代表と話し合い、粟島馬の復活に乗り出した。

地元資料館にある粟島馬の骨を調べ、北海道産の馬「道産子」と近いDNA型であることが判明。道産子を粟島で交配・繁殖させ、現在は5頭が村の馬として、平成23年に開設されたあわしま牧場や近くの野馬公園で飼育されている。沖縄などにも牧場を持つインフォメーションセンター保有の馬を合わせると、島で生息する馬は計14頭に上る。

田中さんは全国の牧場で働き、1年前に粟島へ。地元の高齢者が育てた野菜を馬にくれるなど、かわいがられていると実感している。今後は、交流を深めるため馬車を走らせたり、高齢者にも乗馬体験をしてもらったりする夢を描いている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140103-00000017-san-l15