歳出減なら交付税増額*財政健全化へ諮問会議*自治体に改革促す

2015.06.16

歳出減なら交付税増額*財政健全化へ諮問会議*自治体に改革促す
2015.06.05 北海道新聞 


 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、地方交付税制度を見直す方向で検討している。歳出削減に積極的な自治体ほど交付税を手厚く配分し、取り組みが不十分な自治体への配分は減らすことが柱。財政健全化目標達成に向けた具体策とする。諮問会議の民間議員は、自治体が民間の資金やノウハウを用いて地方財政を効率化する必要性を指摘。総務省もこれに足並みをそろえた改革案を打ち出しており、自治体への歳出削減圧力が今後強まりそうだ。

 地方交付税は、自治体ごとの行政サービスに極端な差が生じないよう国がいったん財源を確保し、財政力の弱い自治体に不足分を再配分(交付)する制度。交付額は人口や公共施設の数などに応じて決まる。現行制度のままでは今後、交付税の総額が増え続けるとみられ、企業経営者や研究者らが務める諮問会議の民間議員は改革を求めていた。

 1日の諮問会議では、交付額の算定基準を行政コストの低い自治体に合わせたり、地域経済活性化や財政健全化に取り組んだ成果を交付額に反映させたりすることなどを民間議員が提言した。4日に公表された議事要旨によると、民間議員の一人、新浪剛史・サントリーホールディングス社長は交付税の抜本改革を求め「一律カットとは異なる形で、経済再生を支えながら歳出をコントロールすることが肝要」と訴えた。

 総務省も1日の諮問会議で、業務の民間委託や広域連携などに取り組む自治体に地方交付税を重点配分する改革案を示した。具体的には、学校給食、公共施設管理、ごみ収集といった業務については民間委託でコストを下げることを前提に交付額を決める案や、地方税の徴収率アップに積極的な自治体を優遇する案などを検討している。

 諮問会議での議論は、いずれも6月末までに取りまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」と、国・地方の基礎的財政収支を2020年度に黒字化することを目指す財政健全化計画の双方に反映される。交付税改革をめぐっては「自治体間格差が広がりかねない」との懸念も市町村関係者の間でくすぶる。ただ、諮問会議の関係者は「改革が遅れている自治体には、政府が先行事例を示して工夫してもらえばよい」と話す。(東京報道 高橋俊樹)

*総務省が検討している交付税の重点配分先

・業務の民間委託、指定管理者制度の積極的な活用など、ほかの自治体のモデルとなるような効率化に取り組む自治体

・広域連携で、ほかの自治体と業務の役割分担を行う自治体

・公共施設を再編、集約し、規模の適正化に努める自治体

・公立病院や上下水道事業について、経営戦略を策定し、効率化を進める自治体