医学部長病院長会議が緊急声明

2015.06.01

医学部長病院長会議が緊急声明

大学・附属病院に診療業務の再点検を強く要望

群馬大、東京女子医大、聖マリ医大の不祥事受け


2015/5/30

加納亜子=日経メディカル 
 


 全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏は不祥事を起こした大学について、「病院長・医学部長による統治が行き渡っていなかったのだろう」と見解を述べた。

 大学や大学附属病院で不祥事が相次いでいることを受け、全国医学部長病院長会議は5月29日、全ての医学部・医科大学に対して診療業務の再点検を行い、大学・附属病院のガバナンス強化を求める緊急声明を発表した。

 この緊急声明は、群馬大学附属病院、東京女子医科大学、聖マリアンナ医科大学病院による不祥事を受けてのもの。厚生労働省は5月27日、患者の死亡事故を起こした群馬大病院と東京女子医大の特定機能病院の承認を取り消すことを決めており(処分発行は6月1日から)(参考記事)、聖マリアンナ医大については、医師が精神保健指定医を不正に取得していたため、該当する医師の指定医の資格を4月15日に取り消している(参考記事)。

 こうした不祥事に対し、全国医学部長病院長会議は全ての医学部・医科大学に向けて、生命に対する畏敬や生命倫理などを含む、「医師としての職業倫理」に基づいた診療業務の再点検を実施すると共に、大学・附属病院の医療安全管理体制におけるガバナンス強化と見直し、教育体制の充実を求める緊急声明を公表した。

 同会議会長で大阪市立大学医学部長の荒川哲男氏は、「高度・先進的な医療の開発と提供、教育を担い、患者からの期待を担う大学病院が国民の信頼を裏切り不安と不信を招いたことは誠に遺憾」と述べ、これら事案の発生をくり返さず、質の高い医療の提供を継続するために「最大限の努力を傾注すべき」と強く求める姿勢を示した。

 厚労省は5月14日に、特定機能病院に対する立ち入り検査項目と高難度の新規医療技術導入のプロセス見直しを行うために「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」を立ち上げている(関連記事)。加えて、80の大学病院本院を含む86の特定機能病院に、医療安全管理体制を重点的に調べる集中立入検査を行う方針を示している。

 この立ち入り検査により、何か新たな情報が出てきた場合には、医学部長病院長会議として改めて要望を提出する方針も示した。