日本環境感染症学会、MERS感染対策委員会を立ち上げ

2015.06.24

日本環境感染症学会、MERS感染対策委員会を立ち上げ

MERS感染予防の暫定的ガイダンスが公開

具体的な対応フローを記載


2015/6/23

富永紗衣=日経メディカル 


 

  日本環境感染症学会は6月19日、MERS感染対策委員会を立ち上げ「MERS感染予防のための暫定的ガイダンス」を公開したことを発表した。ガイダンスでは6月18日時点でのMERSの疫学情報や感染予防策などをまとめており、同学会事務局は随時意見を募集している(ウェブサイトはこちら)。

 韓国ではMERS感染の拡大が継続している。6月23日6時の韓国保健福祉省の集計によると、これまでに確認された感染者数は計175人。うち死亡27人、退院54人、治療中94人となっている。

 今年6月、厚生労働省はMERSに関する通知を出し、疑い患者の要件や暫定的対応フローを示した(関連記事1、関連記事2)。MERS感染が疑われる患者を診た場合は、直ちに最寄りの保健所へ相談し、保健所の指示に従って患者を感染症指定医療機関へ搬送しなければならない。

 日本環境感染症学会のガイダンスは、上記通知に加えてMERSの疫学情報、臨床症状、検査方法、検査時の注意点、感染経路と感染予防策などを記載している。さらに、MERS疑似症例が発生した場合について4つの状況を想定し、患者への電話説明、保健所への連絡、PPEの着用、接触者リストの作成などをフローで示した。(1)診療所に、韓国から帰国して発熱を伴う急性呼吸器症状を呈する患者から電話相談があった場合、(2)診療所に受診した患者が(事前連絡がなく)中東諸国から帰国し発熱を伴う急性呼吸器症状を呈していると判明した場合、(3)一般医療機関で、既に肺炎で入院している患者にMERSの可能性があると判明した場合、(4)第二種感染症指定医療機関で、外来診察中の患者にMERSの可能性があると判明した場合――の4つだ。

 全てのケースでまず患者にサージカルマスクの着用を指示する。(1)と(2)では、帰国後14日を超えているか、厚労省が定義する疑似症、濃厚接触者、その他の接触者のどれに該当するかを確認し、場合に応じて保健所へ連絡する。

 なお、上記フローは発熱・急性呼吸器症状を呈する患者が対象だが、厚労省では症状がない人も、韓国のMERS患者と同じ病棟に滞在するなど、空間を共有する接触があった場合は「その他の接触者」に該当するとし、最大潜伏期間とされる14日間の健康観察を求めている。

 6月23日11時の韓国保健福祉省の発表によると、これまでに15の医療機関でMERS感染者が発生した。うち14日以内に患者が発生したのは、サムソンソウル病院、ソンテイ内科(外来)、建国大学病院(ER、入院)、アサン忠武病院(入院)、コンヤン大病院(職員食堂)の5つ。他にも19の医療機関で、14日以内にMERS患者が訪問したことが確認されている(韓国保健福祉省の発表はこちら)。