本音インタビュー=救急センター運用スタート-医師確保、地域医療担う(藤枝市立総合病院病院事業管理者(院長)・毛利博氏)

2015.05.11

本音インタビュー=救急センター運用スタート-医師確保、地域医療担う(藤枝市立総合病院病院事業管理者(院長)・毛利博氏)(聞き手=名倉正和/藤枝支局)
2015.05.08 静岡新聞 


 今春に2次救急以上に対応する救急センターの運用が始まった。放射線治療装置「リニアック」を更新し「地域がん診療連携拠点病院」としての機能を強化。病院改革にも取り組み、医師が集まる病院づくりを目指す。

 ―どんな救急センターにしたいか。

 「大きな混乱もなく、滑り出しとしては順調。藤枝だけではなく、志太榛原地域の救急をすべて担いたい。そのためにはさらにレベルアップが必要。現在は外、内科医と研修医で回しているが、最低でも医師5~6人体制にしなければ。センター長としてベテランの専門医も招く予定だ。最終的には3次救急まで目指す」

 ―8年前のインプラント治療をめぐる病院の保険不適正請求問題の発覚後に就任した。

 「当時は副院長。1カ月間、保険診療が停止となり、呼吸器内科や産婦人科などがほぼ閉鎖状態だった。外来を受け入れられず最大で19億円の赤字を抱えた。当時の市長から『火中の栗を拾ってくれ』とまで言われた。引き受けた時はこの病院はつぶれると思った。これ以上落ちようがない状況だった」

 ―病院改革を行い、経営を立て直した。

 「これまで薬や医療機器の購入の際、経費節減の意識が薄かったのを徹底させた。中期経営計画も策定した。一昨年度は5年間の最終年度で目標だった単年度黒字も9年ぶりに達成できた。経営戦略会議も開き、収益や外来患者数などで目標を掲げたのも効果を上げたと感じている」

 ―医師の人数も増えてきた。

 「7年前は65人程度だった医師が現在106人まで増えた。医師を派遣する大学側に足しげく通い、病院の目標や現状を伝え、少しずつ成果が出ている。診療科に1人で赴任する医師もいるが、病院として必ずバックアップしている。やはり1人では限界がある。赴任した医師の口コミでの病院の評判も大切」

 ―目標はどんな病院か。

 「救急とがんに強い病院になりたい。救急センターも完成し、最新のリニアックも導入して放射線治療医も2人在籍する。それらを活用するためには、アンテナを高くして国や県から情報をいち早くつかんで対応していくことが大事。国の医療政策は不透明な部分もあるが、2~3年で枠組みが決まってくるはず。組織全体で情報を共有し対応したい」

 (聞き手=藤枝支局名倉正和)

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 ▽もうり・ひろし

 横浜市立大医学部卒。血液内科が専門。2008年から現職。聖路加国際病院や昭和大藤が丘病院などに勤務。藤枝市南駿河台。65歳。