特定機能病院の取り消しで億単位の減収も...

2015.05.02

特定機能病院の取り消しで億単位の減収も…

群馬大病院、改革決意し「新体制」次々に稼働


2015/5/1

土田絢子=日経メディカル 
 

群馬大学病院は4月30日、病院の体制やガバナンスについて検証し提言を行う「群馬大学医学部付属病院改革委員会」を新たに設置したと発表した。委員は宮坂信之氏(千葉大学監事、前東京医科歯科大学病院長)や味木徹夫氏(神戸大学病院特命教授)など、8人ほどからなる学外の有識者。

 群馬大病院長の田村遵一氏は、「3月の報告書発表以来、『体制に問題があるから事故調査も不十分になった』などのご批判を随分といただいた。大所高所からガバナンス改革のための提言をいただいた方が良いとの指摘を受け、『改革委員会』を設置することにした」と趣旨を説明した。改革委員会は夏ごろまでに提言をまとめる予定だ。「今、診察を受けている患者さんのためにもスピーディに改革を進めていきたい」としている。

 群馬大病院では事故調査をめぐる不備が多数報道された。3月にいったん「腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書」を発表したものの、その後、(1)調査委員会に外部委員がほとんど出席していなかったことが明らかになる、(2)病院が独自に報告書に加筆した「過失あり」という文言を削除するに至る、(3)術後死亡の多発に気付かなかった背景の調査が不十分と指摘される――などの混乱があり、現在、腹腔鏡手術について事故調査を再度仕切り直して行っているところだ。別途、開腹手術の事故調査も進めている。これらの事故調査結果を待ってからの改革では遅くなるため、事故調査とは別に「改革委員会」の提言により迅速な改革を進める。

第1外科と第2外科を統合して「外科診療センター」に
 田村氏は、4月からスタートさせた病院内の新体制にも触れた。まずは、旧第一外科と旧第二外科を統合させた「外科診療センター」。センター内で共通の運用マニュアルによって診療や教育を行う。

 医療安全管理部は「医療の質・安全管理部」へと改組し、インシデント報告を推進して問題事例を早期に把握するため、意識啓発や看護師との連携に取り組んでいる。

 その他、院内の全死亡退院症例を把握してスクリーニングや問題のある症例の検討をする「死亡症例検討委員会」や、診療・臨床研究などの法令順守状況を確認する「コンプライアンス推進室」も設置した。

 これらの矢継ぎ早の体制刷新について、「現場の負担が増している部分もあるが、楽になっている面もある」と田村氏。例えば、第1外科と第2外科で同じことをするのに方法が違っていたが統一され、看護師や学生の負担が減った。中堅の医師も「始めてみたらこの方が良かった」と話しているという。

 4月30日、厚生労働省の社会保障審議会医療部会が「特定機能病院の承認取り消しが相当」としたことについては、「厳しい処分であり真摯に受け止めて対応したい。改革を進め、診療内容や診療体制は前よりもレベルアップさせていかなければならない」と田村氏は話した。財政面では、特定機能病院の承認取り消しによって億単位の減収になる