(教えてトキべい)県内でも進む少子高齢化、医療機関の再編はどうなるの? 県議選/新潟県

2015.04.09

(教えてトキべい)県内でも進む少子高齢化、医療機関の再編はどうなるの? 県議選/新潟県
2015.04.07 朝日新聞



 ◇整理縮小も検討、県の役割大きく

 人口減少と少子高齢化が同時に進む日本。高齢者が増え、医療や介護を必要とする人は増えているのに、それを支える医師や看護師、介護士は足りない。

さらに、国も地方も多額の借金を抱えて、お金の余裕もない。地域では、撤退を迫られる医療機関や介護施設もあると聞いたよ。

 県内でも事情は同じ。農村地域を中心に地域医療に大きな役割を果たすJAグループの県厚生連でさえ、2015年度の事業計画で、栃尾郷診療所(長岡市栄町)の整理縮小、付属の介護老人保健施設の廃止などを盛り込み、検討が進んでいるんだ。

 同厚生連によると、施設が老朽化し、耐震性の面から建て替えなどが必要

けれど、地域の人口減少に伴って患者数も減り、経営は赤字だ。何よりも医師の確保が難しく、東京や新潟市から医師が交代で通ってしのぐ。理事の一人は「廃止もやむを得ない」と話す。

 厚生労働省は3月、全国の医療圏ごとの人口推計を公表したよ。県内の7医療圏では、佐渡圏域の減少が著しく、2010年から25年にかけて、総人口が約22%、75歳以上の高齢者も約5%減ってしまう。他の圏域では、総人口は減るけれど高齢者は増えるよ。

 こうした人口と地域の変化に対応するためには、医療と介護の態勢を整理し、整備する改革は待った無しだ。


6月に開院する魚沼基幹病院、整備計画の策定に向けて動き出す県央基幹病院は、県内の医療機関の再編の一環なんだ。

 国は、改革の推進役として都道府県の役割をいっそう重く位置づけようとしているよ。

15年度から都道府県には、将来の医療ニーズの予測などをもとに医療圏ごとに目指すべき医療機関の数やあり方の目標を定める「地域医療構想」づくりが求められるんだ。

構想の実現に向け、消費増税による税収増の一部で基金を作り、改革に協力する医療機関には、都道府県の判断で補助金を出せるようになった。
医療機関に対して病院のベッド数の削減や役割の転換を要請できる大きな権限も知事に与えられたよ。

 さらに18年度には、これまで市町村が担ってきた国民健康保険(国保)の運営が都道府県に移される。

国保は、従来は農家や自営業者向けの健康保険だったけれど、今では会社を退職した人や非正社員の加入者が増え、大きな赤字を抱えている市町村が多いんだ。

そこで運営を都道府県に移し、当初は国もお金を出して支援しながら、都道府県主体に国保財政の立て直しに取り組むんだ。

 ただ、医療態勢作りの改革も国保の県への移管も、極めて難しい調整が予想されるよ。

多くの人は地元から医療機関がなくなるのは嫌だし、保険料が上がるのも反対だ。県に設置された基金からは大きなお金が動く。その支出は効果的で、適正なのか。

 この難題を地域と行政の間に入って調整し、チェックする役割が、これからの県議会議員には求められる。重責を担える人なのか。県議を選ぶ時の選考基準の一つにして欲しいな。(松浦祐子)

    ◇

 身近な市町村に比べると、なかなか仕事の中身や役割が見えにくい県。しかし、地方分権の流れの中で、人口減少への対応や地域の課題の解決に向けた独自の判断が求められることになりそうです。県議選の投票日を前に、トキべいとともに、県政の課題と県議の役割を考えました。


 ■福祉や医療の充実、各党訴え

 統一地方選に向けた各党の政策パンフレットを見ると、どの党も福祉や医療の充実を掲げる。

 自民は「小児救急医療体制の整備」を盛り込んだ。民主は「医師や看護師確保のための就業環境の改善。医科大学新設などに関する規制緩和」を訴える。維新は医療分野には触れず「高齢者施設などの介護事業への株式会社の参入推進」を掲げる。公明は「地域包括ケアシステムの推進、難病医療の拠点病院の整備」などに重点を置く。共産は「県立病院を地域医療・介護の拠点にする」、社民も「公立病院を守る」とした上で「国から国民健康保険への国庫負担を増額する」とした。地域政党の無所属の会は「医師不足の解消」を主張。