東北薬科大:医学部案、反対意見も併記 協議終え国に報告へ /宮城

2015.03.04

東北薬科大:医学部案、反対意見も併記 協議終え国に報告へ /宮城
2015.03.03 毎日新聞



 東北薬科大(仙台市)は2日、東北地方の医療関係者が集まって新医学部のあり方を協議する「教育運営協議会」を同市内で開いた。新設案に反対意見が相次ぐ状態が続くが、今月末が国への報告期限のためひとまず協議を終え、大学側はこれまでの結果を報告し最終的な新設の認可を得たい考え。【金森崇之】

 薬科大が示した医学部新設案は1学年の定員が100人。貸与奨学金は宮城県内で10年間勤務することが条件の枠を30人分、東北5県に一定期間勤務する枠を25人分設ける。大学によると、非公開で行った教員採用計画の議論では、委員から約170人の採用について了承を得たという。

 国に提出する協議結果の報告には、東北大からの教員採用が多く地域医療に支障が出る▽奨学金制度は宮城県の比率が高く新たな地域偏在をもたらす――などの反対意見も併記。「新医学部設置は意味がない」とする委員の意見書も添付する。委員からの意見をさらに受け付けた上で提出する方針。文科省は今月中にも構想審査会を開いて議論し、今夏までに認可するか決める。

 医学部新設は震災復興や医師不足解消の観点から、村井嘉浩知事らが政府に要望。文部科学省が東北に1校限定で認め、昨年8月に薬科大を選定した。ただ、正式認可の条件として、運営協議会の設立▽医師偏在を解消する枠組みの確立▽医師引き抜き防止対策――などの7項目を提示し、議論するよう求めていた。

 ただ協議会の設立時から、大学側は四面楚歌(そか)の状態だった。同大関係者を除く委員の約3分の1を各県の医師会会長と日本医師会常任理事が占めるが、そもそも医師会は医学部新設に反対の立場で、国の決定そのものに疑問を呈するなど紛糾が続いた。

 もう3分の1は各県医大の学長らで、医師の引き抜きや仙台への医師集中などを懸念してほとんどが反対意見を述べた。残りは各県の保健福祉部長らだが、新設に積極的な発言は少なく、各県向けの奨学金制度の活用に消極的な態度が続いた際には、薬科大の高柳元明学長が「各県は医者がほしくないのか」といぶかる場面もあった。

 この日の協議会でも「委員が納得したとは思えない」などの意見が出た。国への報告提出後も協議会は存続し、定期的に今後の対応を話し合う方針だ。