医療過疎地へ待望の2医師 鹿大の地域枠1期生「少しでも元気を与えたい」/鹿児島県

2015.03.28

医療過疎地へ待望の2医師 鹿大の地域枠1期生「少しでも元気を与えたい」/鹿児島県
2015.03.27 朝日新聞



 医師の不足する離島やへき地での勤務を条件に、県などが修学資金を負担する鹿児島大学医学部の「地域枠」第1期生2人が今春から十島村と肝付町での診療を始める。26日、2人に伊藤祐一郎知事から勤務先通知書が手渡された。


 地域枠の制度は県と鹿児島大が連携して2006年度に創設。県内の高校出身者を対象に推薦入試で学生を募り、入学金や在学中の授業料、生活資金、図書購入費の修学資金を1人あたり計940万円(編入を除く)を貸与。臨床研修や、へき地などでの勤務を計6~12年義務づけ、これを果たせば返還を免除する仕組みだ。

 県地域医療整備課によると、県内の人口10万人当たりの医師数(12年)は250.1人で全国平均を12.3人上回っている。ただ、地域別に見ると、鹿児島市を中心とする「鹿児島医療圏」以外はすべて全国平均を下回り、特に小児科医や産科医は偏在の傾向がある。

 地域枠医師の配置先は、離島やへき地があり、医師不足に悩む屋久島町や薩摩川内市など12市町村の診療所など。十島村南部3島へは、奄美市を拠点に隔週で巡回診療する。勤務が条件付けられる期間中は、先輩医師の支援を受けながら、定期的に勤務先を変えることになる。

 これまでに資金を貸与した学生は116人。県は、卒業後も地域で勤務を経験することで医師の定着につながるはずだ、と期待する。

 肝付町立岸良診療所に着任する新村尚子さん(28)は「制度が創設されたころは、県内で医療が行き届いていないと報道されており、『自分が必要とされる場所があれば』と地域枠を受験した。勤務する地域の方々には若いと思われるかも知れないが、少しでも元気を与えられる医師になりたい」と抱負を述べた。(中島健)