老人ホーム、みとりにガイドライン 終末期治療の意思、事前に確認など /長野県

2015.03.18

老人ホーム、みとりにガイドライン 終末期治療の意思、事前に確認など /長野県
2015.03.17 朝日新聞


 老人ホームでお年寄りが死期を迎えたとき、延命治療をするのか、しないのか――。佐久医師会(金沢秀典会長)は、「老人ホーム等における終末期対応に関するガイドライン」を作り、このほど介護施設の関係者を集め、佐久市内で説明会を開いた。医師会によると、「このようなガイドラインは、ほかではほとんど例がない」という。


 入所者が死亡したときは、かかりつけの医師が呼ばれ、死亡を確認するのが通例だ。ただ、現状は、亡くなったかどうか職員では確信がもてなかったり、家族の要請があったりして、救急車を呼んで病院で死亡を確認することが多いという。

 ガイドラインでは、終末期を迎えたときに病院での治療を希望するのか、それともホームでのみとりを希望するのか、事前に入所者と家族の意思を確認することを求めている。みとりを希望する場合は、心肺停止時に救急車は呼ばずに蘇生術も施さないことを基本とする。

 医師会によると、入所者がすでに亡くなっているとみられる場合でも救急車が要請されるため、本当に救急車が必要な患者の対応に支障が出る場合があるという。受け入れる病院側も、救急車で運ばれてくると、蘇生を試みざるをえないのが実情だ。

 高齢化の進行で、これからの日本は多死社会を迎えるとされる。ガイドラインは、救急医療体制を維持していくために、終末期の医療やみとりを、在宅もしくは介護施設に委ねる狙いがある。

 佐久市は地域医療再生計画に基づき、2013年に医療、介護、行政などの関係者でつくる市医療介護連絡協議会を設置。そのなかで、ガイドラインの必要性が議論され、医師会が作ることになった。

 医師会の金沢会長は「ガイドラインは強制ではないが、救急車も病床も限られたなかで救急医療を守るため、介護事業者に対応をお願いしていきたい」と話している。