《'15統一選 館林市政の課題》医師不足 住民に不安 

2015.03.25

《'15統一選 館林市政の課題》医師不足 住民に不安 
2015.03.24 上毛新聞 


 館林市長選は4月19日の告示まで1カ月を切った。館林厚生病院の耐震化新病棟完成で地域医療の充実に期待がかかるが、医師不足が影を落とす。中心市街地の空洞化対策やさらなる観光振興も待ったなしだ。


◎「頼れる病院を」

 先月開かれた、小学生が市政をただす子ども議会。小児ぜんそくを抱える児童が「夜中の発作で市外に搬送された。市民が安心して暮らせるよう、頼れる病院をつくって」と要望した。

 館林厚生病院は産科が2005年から出産の取り扱いを休止している。整形外科も12年から入院を受け入れておらず、いずれも常勤医確保のめどが立っていない。09年から体制を縮小している小児科は昨年7月、5年ぶりに常勤医不在が解消した。

 厚生病院を運営する邑楽館林医療事務組合は、紹介会社や地元医師会なども通じて手を尽くすが、「医師の専門科目の偏在もあり、都市部以外は全国的に全診療科目をそろえるのが難しい」と苦慮する。新鋭機器を導入して機能を高めた新病棟が招聘(しょうへい)の呼び水になればとの望みも抱く。


◎大都市に集中

 日本産婦人科医会は昨年11月の報告書「産婦人科医師の勤務実態と将来ビジョン」で、特に35歳未満の若手産科医が東京など大都市に集中し、地域格差は5倍に上ると分析した。報告書をまとめた日本医科大の中井章人産婦人科教授は「増えた医師の負担に対して人数が足りず、責任の大きい診療科が敬遠され、さらに負担が増す悪いスパイラル。引き抜けば抜かれた施設が疲弊する」と指摘する。

 地元住民らが13年に設立した「邑楽館林の小児医療を守る会」の荻野桃子会長は「本音は、24時間の受け入れ態勢を持つ基幹病院が市内にあることが一番」とした上で、相当数の人材がそろわなければかえって現場が疲弊すると危惧する。会として「住民が病院を必要としていることを伝え、住民側には提供できる医療を知らせて不安を除ければ」と話す。(22面に続く)


 【メモ】県保健予防課によると県内の医師数は2002年からの10年間で約1割増えた。一方、産婦人科医は181人から156人と大きく減少した。小児科医は268人から284人とやや増えている。