地域医療のゆくえ~榛原病院、指定管理者5年(上)=医師不足-2次医療圏で連携を

2015.02.28

地域医療のゆくえ~榛原病院、指定管理者5年(上)=医師不足-2次医療圏で連携を
2015.02.27 静岡新聞 


 経営難で閉鎖の危機を迎え、沖縄徳洲会による指定管理者制度を導入した牧之原市の榛原総合病院は3月1日、制度導入から5年がたつ。病院をめぐる課題を通して、地域医療のゆくえを考える。

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 昨年10月の榛原総合病院構成市町議会合同説明会で、病院側は指定管理者制度導入から4年間で赤字幅が縮小、経営が改善した状況を説明した。

しかし救急搬送の状況を問われ、担当者は「常勤医が不在の診療科はファーストタッチ後、専門病院へ搬送しています」と小さな声で答えた。

 同病院は2009年度末で常勤医は48人だったが、経営難で閉鎖の危機を迎えた10年2月は20人まで落ち込んだ。

今年1月現在、常勤・非常勤を合わせた医師数は29・3人まで持ち直したが、ピーク時にはほど遠い。

常勤医不在の診療科は徳洲会グループの非常勤医の派遣を全国から受けて穴埋めする状況が続く。

森田信敏院長は「従来のように大学病院から医師派遣を受けるのが難しくなった」と説明する。

 診療科の充実を求める声は根強い。

同病院組合議会の吉永満栄議長は「総合病院なんだから診療科を増やさないと」と話す。

地域医療を支えるはいなんの会の本間康弌会長(80)も「診察に行くたびに違う先生が診るので、不安だという声はある」と明かす。

田院長は「診療科が充実していた時代に戻すのは厳しい。健全な病院経営のためにも、地域のニーズに合った体制を整えるのが望ましい」と言う。

 政府の医療制度改革は、2次医療圏で各病院の医療機能の分化、連携を推進する方針を示している

森田院長は「一般的な救急と外来の体制を備えた急性期、慢性期病院として地域医療を担う」と語った。

浜松医大医学部付属病院の小林利彦医療福祉支援センター長は「都市部への医師の偏在もあり、地方に医師は集まりにくい。各病院が強みを持つ診療科を病院間で補完し合い、2次医療圏全体で地域医療を守っていくべきだ」と指摘する