医療過誤訴訟 2病院に支払い命令 地裁判決 損害賠償計 3090万円=茨城

2015.02.23

 医療過誤訴訟 2病院に支払い命令 地裁判決 損害賠償計 3090万円=茨城
2015.02.20読売新聞



 小美玉市の女性(当時56歳)が2011年、緊急搬送された石岡第一病院(石岡市)で誤診され、転院先の土浦協同病院(土浦市)で家族の承諾なしに無呼吸テストを行われ、その後死亡したとして、遺族がそれぞれの病院を運営する公益社団法人「地域医療振興協会」と県厚生連に計約6410万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、水戸地裁であった。

 新谷晋司裁判長は、「(石岡第一病院での)過失と死亡との間には相当因果関係が認められる」などとして、協会に約3020万円、県厚生連に66万円の計約3090万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は11年2月10日、石岡第一病院に緊急搬送され、診察を受けたが、敗血症と診断されず、12日に容体が急変。

同日、土浦協同病院に転院した。同病院は16日、女性に無呼吸テストを実施。女性は翌月17日、敗血症性ショックから心肺停止となり低酸素性脳症で死亡した。

 新谷裁判長は石岡第一病院の過失を認定した上で、必要な治療や転院などの措置があれば救命の可能性は高かったと指摘。

無呼吸テストと死亡との関係は認められないとしたが、「女性と遺族に実施の承諾を得てから行うべきだったが、これを怠り、人格的利益を違法に侵害した」とした。

 女性の夫が医師だったことから、被告側は原告側にも落ち度があったなどと主張。判決は、〈1〉敗血症の発症を疑い、直ちに適切な病院を受診させるべきだった〈2〉搬送後、病状などの詳細について説明することが期待された--として原告側の責任も指摘した。

 判決を受け、女性の長男中島后博さん(35)は記者会見し、「母は苦しいと訴えてもおざなりにされ、亡くなりました。明らかに救えたはずの命だと思います」と話した。今後、対応を検討するとしている。

 取材に対し、石岡第一病院は「判決文が届いておらず、現段階ではコメントできない」、土浦協同病院は「担当者が不在でコメントできない」としている。


 写真=判決を受けて記者会見する中島さん(右)と代理人の弁護士(19日、県弁護士会別館会議室で)