舞鶴市長再選  医療、原発対策で手腕を社説

2015.02.13

舞鶴市長再選  医療、原発対策で手腕を社説 [京都新聞 2015年02月10日掲載]

 8日投開票の舞鶴市長選で、現職の多々見良三氏が再選された。過去2回の市長選は保守分裂選挙になったが、今回は「非共産対共産」の構図となり、自民、民主、公明から推薦を受けた多々見氏が手堅く票をまとめた。
 

同市で保守分裂選挙が続いた大きな原因は、2004年の舞鶴市民病院の医師大量退職から続く地域医療の混迷だ。

前回の市長選で多々見氏は、前市長の公的病院統廃合計画を元病院長として批判し、見直しを掲げて当選した。

四つの公的病院の特色を生かす機能強化を進め、京都府立医科大からの医師派遣に道筋をつけた実績が評価され、再選につながった。
 

だが地方での医師確保が難しい状況は変わっていない。舞鶴市では医師の高齢化も顕著だ。医療と福祉の崩壊は絶対に避けなければいけない。多々見氏の手腕が期待されている。
 

選挙では原発再稼働問題も論点になった。

舞鶴市に隣接する福井県高浜町には関西電力高浜原発がある。

市域の一部は重大事故時に即時避難が求められる原発5キロ圏にあり、市全域が避難計画が必要な約30キロ圏に入る。関電と府は原発安全協定を結ぶことで合意、舞鶴市も府を通じて関電に意見を出し、回答を得ることができる内容の覚書を結ぶ方向になった。
 

ただ実効性のある避難計画の策定はこれからの課題だ。福井県の原発の30キロ圏には京都府、滋賀県も入り、交通手段一つをとっても調整は簡単にはいかない。高齢者や医療福祉施設の入所者、学校の子どもたちなど「避難弱者」の問題もある。多々見氏は高浜原発の安全審査結果に加えて避難計画についても国に住民説明会の開催を求めているが、市からの丁寧な説明も必要だ。
 

地域経済の活性化も求められている。京都縦貫自動車道が全通すれば、舞鶴若狭自動車道と直結して北近畿が高速道で結ばれ、舞鶴港も物流拠点としての機能が高まる。舞鶴引揚記念館の所蔵資料が世界記憶遺産に登録されれば、舞鶴への注目はさらに高まりそうだ。
 

一方で、北陸との地域間競争も激しくなる。北陸新幹線の3月開業を前に、北陸の自治体は近畿への観光PRや企業の誘致活動を強めている。府北部の市町と連携して、北から南まで京都がつながる強みをどのように生かすか知恵の出しどころだ。
 由良川の防災や農業漁業の振興など市が抱える課題は多い。2期目に着実な成果を期待したい。