地域の病院、どう生き残る 苦しい医師確保 ――舞鶴市長選の課題を探る /京都府

2015.02.02

地域の病院、どう生き残る 苦しい医師確保 ――舞鶴市長選の課題を探る /京都府
2015.01.31 朝日新聞



 舞鶴市民病院で医師が集団退職し、地域医療が崩壊の危機に立たされた問題から10年余り。

市内の公的4病院は府の中丹地域医療再生計画=キーワード=に基づき、それぞれの強みを生かして存続する道を選び、新病棟などの建設が大詰めを迎えている。

舞鶴市の医療は再生に向けどう歩んでいるのか。市長選を前に課題を追った。


 ●10年余で医師34人減

 「どの病院も苦労していると思うが、やはり医師の確保だろう」。舞鶴赤十字病院の西田和夫院長は率直に語る。
今年1月の4病院の常勤医は合わせて103人。
今は療養型病院となった市民病院で医師が集団退職する前の2003年度から34人減った。

 舞鶴共済病院の武井順治・事務部長も「必要性の高い総合内科の常勤医が1人しかいない」と悩みを口にした。同病院では昨年、一人診療科だった眼科と皮膚科の常勤医も退職した。

 共済病院は金沢大などからの医師が多かったが、昨年から日赤、国立病院機構舞鶴医療センターと同様、府立医大の関係病院になった。同医大の吉川敏一学長は昨年11月、舞鶴市で講演し、「府立医大の地域枠の7人、自治医大の府内枠2人を毎年、北部に優先的に派遣する。
5年で45人。このうち20~30人を舞鶴の病院に送る」と医師確保に協力を約束した。


 ●病床利用率6割も

 病院経営に直結する一般病床の入院患者数は昨年度、3病院合わせて21万2千人余り。

市民病院が一般病棟を廃止したことで、4病院だった03年度の6割ほどに減った。病床利用率が6割ほどに低迷する病院もある。

 日赤病院では昨年度まで3年連続で5万人を切ったが、今年度は12月までで3万1418人にとどまり、さらに大幅に減りそうだ。
才本勝己・事務部長は「与謝野町など周辺にある医療機関が充実したので、市外からの患者が減っている面はあるだろう」と推測する。

 一方、舞鶴市には呼吸器外科を持つ病院がない。府北部では数少ない同科のある綾部市立病院には舞鶴からの患者も多いという。
舞鶴市の男性(19)は、市内の病院に入院して気胸の治療中に病状が悪化し、綾部市立病院に運ばれ手術を受けた。「胸に管を付けたままの移動は苦しかった。今は綾部に通院しており、舞鶴の病院に呼吸器外科があれば」と話す。


 ●負担減へ休日診療所

 休日の救急医療は市民病院を除く3病院が輪番制で担っている。

 これに対しても、日赤の西田院長は「病院の医師は当直の翌日も休まず通常の診療をしなければならず、3病院の負担は大きい」と指摘する。

 市は今月、医師の負担軽減を目指し、医療センターの敷地内で休日急病診療所に着工した。医療センターの新病棟の完成に合わせ、7月ごろから日曜、祝日、年末年始などの昼間、内科、小児科の診療開始を予定する。

 医療センターの畑井希久・事務部長は「できれば夜間を含め診療してほしかったが、できるからには少しでも負担軽減につながるようにしてほしい」と望んでいる。(福家司)


 ◆キーワード

 <中丹地域医療再生計画> 舞鶴、福知山、綾部3市の中丹医療圏を対象に府が2010年1月に策定。

このうち舞鶴市では、当初は舞鶴共済病院を除く3病院で基幹病院をつくることを柱としていたが、12年3月に変更。同市の公的4病院では、国立病院機構舞鶴医療センターが脳卒中センターと周産期サブセンター▽舞鶴共済病院が循環器センター▽舞鶴赤十字病院がリハビリテーションセンターとしてそれぞれ機能強化を図り、市民病院は療養型に特化した病院になるとしている。計画に基づき、国から交付された再生基金約23億円などで、各病院が新病棟などを建設している。


 ■公的4病院の医師、入院患者数

          常勤医師数(1月現在) 入院患者数(一般病床、2013年度)

 舞鶴共済病院       39       93914

 舞鶴医療センター※1   39       69386

 舞鶴赤十字病院      21       48769

 舞鶴市民病院※2      4           0

 (いずれも各病院調べ ※1他に精神科病床あり ※2療養型病院)