2015年度介護報酬改定の報酬単価が明らかに《3》

2015.02.07


2015年度介護報酬改定の報酬単価が明らかに《3》

居宅系の中でも“激変”の通所サービス

小規模通所介護の基本報酬はマイナス9~10%


2015/2/7

黒原由紀=日経ヘルスケア 
2月6日の社会保障審議会・介護給付費分科会では、2015年度介護報酬改定における各サービスの報酬単価が決定された。

 マイナス2.27%の改定率、実質4.48%のマイナスとなった2015年度介護報酬改定。本稿では在宅・地域密着型サービスの改定内容について速報する。在宅介護に関わるサービスのうち、影響が大きいのが、通所系の介護サービスだ。

 まず、月延べ利用者数が300人以下である小規模通所介護事業所は、基本報酬がマイナス9~10%と大幅に引き下げられた。
現在、小規模型通所介護事業所の基本報酬は、事務経費などのスケールデメリットを考慮して、通常規模型の通所介護事業所(月延べ利用者数が301~750人以内)よりも16.3~16.8%高く設定されている。

しかし、2014年度介護事業経営実態調査では、小規模型のサービス提供1回当たりに要する管理的経費は通常規模型と比較して7.6%の高さにとどまっていることが判明。
こうした実態を踏まえ、今回の引き下げで介護報酬の適正化を図った。

 合わせて、通常規模型、大規模型の通所介護の基本報酬も4~5%程度引き下げた。
ただし、認知症対応を評価する加算として「認知症対応加算」(60単位/日)、重度者対応を評価する「中重度者ケア体制加算」(45単位/日)が新設したほか、既存の加算で、利用者が地域で在宅生活を継続するための生活機能の維持・向上に取り組む事業所を評価する「個別機能訓練加算」も点数を引き上げた。
これらを算定できれば、報酬の大幅ダウンは避けられる見通しだ。

リハビリの長期化を改善するため大幅見直し
 医療法人が提供主体である通所・訪問リハビリテーションも、リハビリのマネジメントを充実させるほか、長期にわたってサービス提供が行われている現状を改善する観点から、大きく見直された。

 具体的には、リハビリテーションマネジメント加算の再編をはじめ、通所リハビリについては、既存の「個別リハビリテーション実施加算」(80単位/回)と「短期集中リハビリテーション実施加算」(退院・退所日または介護保険認定日から1カ月以内:120単位/日、1カ月超3カ月以内:60単位)を廃止し、2つを統合した加算として「短期集中個別リハビリテーション実施加算」(110単位/日)を新設。退院・退所日または介護保険認定日から3カ月まで算定できるとした。

 さらに、料理や買い物といった生活行為、社会参加などが可能となるよう目標を設定し、通所・訪問リハビリを組み合わせて目標達成を目指す「生活行為向上リハビリテーション」を新たに評価。対応する報酬として、「生活行為向上リハビリテーション実施加算」を新設する。リハビリ開始月から3カ月までは2000単位/月、3カ月超6カ月までは1000単位/月を算定できる。生活行為向上リハビリを“卒業”し、通所介護や地域支援事業などに移行した人の割合が高い事業所を評価する加算として「社会参加支援加算」(通所:12単位/日、訪問:17単位/日)も新設し、通所・訪問リハビリの無用な長期化を是正したい考えだ。

 また、生活行為向上リハビリテーション実施加算を計画に定めた実施期間を過ぎた後に通所リハビリを継続する場合は、生活行為向上リハビリを終えた翌月から6カ月の間、基本報酬を15%減算する。

同一建物減算の対象範囲を拡大
 このほか、居宅系サービス全体にわたって見直されたのが、集合住宅に居住する利用者へサービスを提供する際の報酬だ。診療報酬と足並みをそろえる形で、減算規定を厳格化した。

既に減算措置が取られている訪問介護、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリに加え、2012年度改定で創設された定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護にも導入。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は事業所と同一敷地内または隣接する敷地内の建物に居住する利用者にケアを実施した場合、600単位/月を減算する。

小規模多機能型居宅介護については基本報酬を別建てとして新設。
現行の基本報酬から切り出して新設する総合マネジメント体制強化加算(1000単位/日)を含めても、既存の報酬より約1割下がる。

 マイナス改定の影響から、基本報酬の引き下げが避けられなかったサービスが多い中、加算面で比較的手厚い配分となったのが訪問看護。基本報酬を2.5%前後減額したものの、中重度者への対応を評価した「看護体制強化加算」(300単位/月)を新設したほか、病院・診療所からの訪問看護の基本報酬は今後の充実を図るために約2%アップ。

ただし、訪問看護ステーションから提供する訪問リハビリについては、318単位/回から302単位/回に引き下げられた。