15年度の県予算案内示~チェック創生予算(5) 医療・福祉 医師の地域偏在解消

2015.02.20

15年度の県予算案内示~チェック創生予算(5) 医療・福祉 医師の地域偏在解消
2015.02.19 山形新聞



 健康長寿で暮らせる社会を構築するため、医療・福祉分野では医療提供体制の充実に取り組む。

医師確保対策を総合的に担う「地域医療支援センター」を新設して医師の地域偏在の解消を図るほか、増加傾向にある女性医師の支援体制を拡充するなどし、医療従事者の確保と定着を目指す。

 県地域医療対策課によると、本県の人口10万人当たりの医師数(2012年末時点)は225・5人で、全国平均の237・8人を下回っている。

都市部への医師の集中に伴う地域偏在のほか、内科、外科、産婦人科を中心に医師が不足するなど診療科の偏在が顕在化していることから、庁内に地域医療支援センターを新設し、山形大医学部と連携して適切な医師配置を進めるほか、医師のキャリアアップの在り方を検討する。

 同センターが担う大きな役割の一つが、県の医師修学資金貸与制度を利用した卒業医師の配置。県内の公立病院で働く意思のある医学生に対し、県は年間200万円の奨学金を貸与する制度を設けている。


県内で7年以上勤務すれば返還は免除される条件で、14年度までに181人が制度を利用した。

今後、年間3~5人程度の卒業医師が現場に出る予定で、2020年には年間15人程度に増える見通しだという。

貸与制度はこれまで年間15人が貸与の対象だったが、現場の需要や山形大医学部が「地域枠」を新設したことを踏まえ、15年度からは対象枠を23人に拡大する。

 女性医師が仕事と育児を両立できる環境づくりにも取り掛かる。14年度は子育て中の女性医師らによる懇談会を開催し、職場で抱える課題や保育ニーズを探った。

「ベビーシッターなどの子育て支援情報を一括して入手したい」「女性医師同士が交流できる場がほしい」といった意見が出たことを踏まえ、15年度は子育て・介護情報の相談窓口「女性医師支援ステーション」を県医師会に委託して新設。

さらに女性医師向けの支援情報を集約したポータルサイトを開設し、外部からは閲覧できない形で情報交換できる掲示板も設置する計画だ。

 病院事業局関連では、最上地域の中核病院である県立新庄病院(新庄市)の改築に向けて有識者を含めた検討委員会を設置する。

施設の多くは築40年近く経過して老朽化が目立つ上、患者ニーズの多様化に伴いスペース不足が顕著になっており、地元からは機能強化と早期改築を求める声が上がっている。検討委では福祉との連携など求められる機能強化について議論する。

 県立中央病院(山形市)は、カテーテル室の機能を手術室と一体化した「ハイブリッド手術室」を整備し、高度急性期病院としての機能を強化。

心臓カテーテル治療と手術の機能をまとめたことで、透視装置で撮影した体内の画像を大画面で確認しながらの手術が可能になり、手術時間が短縮することで患者の負担緩和などが期待される。

◇主な事業と予算額

▽医師確保と地域医療支援対策       4億5179万円

▽新庄病院の改築に向けた検討委員会の設置    500万円

▽中央病院へのハイブリッド手術室の整備  3億4400万円