厚労省、プロポフォール投与後の小児死亡事故で

2015.01.28

厚労省、プロポフォール投与後の小児死亡事故で

東京女子医大病院に3回目の立ち入り検査

特定機能病院の承認取り消しも現実味


2015/1/27

三和 護=日経メディカル 
 
鎮静薬「プロポフォール」が投与された後に人工呼吸中の小児患者が死亡した問題で、厚生労働省は1月26日、東京都と合同で東京女子医科大学病院(東京都新宿区)への立ち入り検査を行った。

昨年末に同院が公表した外部委員会の報告書について説明を求めるとともに、同院が打ち出した再発防止策が機能しているか調べることが目的。調査に入った担当官の1人は「3回目とは異常」との認識を示しており、立ち入り調査の結果次第ではあるが、同院の特定機能病院の承認取り消しも現実味を帯びてきたようだ。

 同院では昨年2月にリンパ管腫ピシバニール注入術を受けた2歳男児が、ICUでの経過観察中に急性循環不全で死亡する医療事故が発生した。その後の院内調査で、鎮静に用いられたプロポフォールと死亡との因果関係が指摘された(関連記事)。

 プロポフォールについては、「小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静」の目的で使用することが禁忌とされ、また日本麻酔科学会のガイドラインでは「小児への長期大量投与」を禁忌としている。


このため、2歳男児の事例は「小児に禁忌のプロポフォールで死亡事故」などと報じられ波紋を広げた。

加えて同院の調査で、過去にも同様の死亡例があったことが判明。学内の対立が表面化したこともあって、一気に社会問題化した。

 同院は外部評価委員会を設置し、プロポフォールと死因との関連性について検討を依頼。

委員会は昨年12月18日に検討結果をまとめた。それによると、2008年1月から2013年12月までの6年間に、鎮静目的でプロポフォールを投与した後に死亡した人工呼吸中の小児患者は11例であり、全例で死亡とプロポフォール投与との間に直接的な因果関係は認められなかったと結論した。

ただし、うち5例では死因となった感染症や心不全にプロポフォール投与が悪影響を及ぼした可能性を否定できなかったとも指摘している(関連記事)。

 2歳男児の死亡事故に関しては、同院が別に設置した第三者による調査委員会が近く検証結果を取りまとめる見込み。なおこの死亡事故については、警視庁が業務上過失致死の疑いで捜査を進めている。