総務省/公立病院再編を後押し/建設費4割に交付税、厚労省の基金活用も

2015.01.28

総務省/公立病院再編を後押し/建設費4割に交付税、厚労省の基金活用も
2015.01.27 日刊建設工業新聞 


 総務省は、公立病院の再編・統合に伴う病院の建て替えや新設に財政支援を行う制度を15年度に創設する。

建設費の財源として自治体が発行する地方債の元利償還金のうち4割を地方交付税で国が肩代わりする。

公立病院の約半分は赤字に陥っており、自治体の財政を圧迫している。

今後進む人口減少と医師・看護師不足、医療費の増加を踏まえ、公立病院の再編やネットワーク化へと自治体を誘導し、効率的で持続可能な医療提供体制の構築につなげる。

 これまで病院建設で発行できる地方債に対しては元利償還金の30%を地方交付税で措置してきた。

15年度からは、交付税による肩代わりを、通常の単独整備は25%に減らし、再編・ネットワーク化に伴う新設・建て替えは40%と差を付ける。

 同省はこれによって、老朽化などで建て替えのタイミングに至った公立病院が近隣病院との再編の検討に乗りだすよう誘導する。

二つの公立病院を統合したり、複数の病院を、救急医療に対応する一つの基幹病院とネットワークで結ばれたサテライト型の病院・診療所に再編する事業などを後押しする。

 従来はなかった都道府県を関与させる仕組みも新たに設ける。

都道府県が計画を不適当と判断すれば、交付税措置の対象外にできる。

例えば、将来の医療提供体制を見据えた都道府県の地域医療構想に反していたり、診療報酬が高めに設定され、わずか数年で急増した急性期病床をさらに増やしたりする計画などが該当するとみられる。

 昨年の通常国会で成立した医療介護総合確保推進法には、過剰な病床を抑制し、持続可能な医療提供体制をつくる方針が明記された。

人口減少に合わせた病院の配置を進めるほか、急性期に偏り過ぎた病床を高齢化に対応した回復期病床などに転換していくことで、医療費の伸びを抑制するのが狙いだ。

 公立病院は全国に847(12年度時点)あり、市立病院が310と最多を占める。同年度の建設投資額は4032億円に上る。

 一方、厚生労働省は病院の再編を含む医療提供体制改革に使える基金として15年度予算案に904億円(14年度当初予算544億円)を計上した。


施設整備や医師・看護師確保対策が主な用途で、総務省の交付税措置と合わせて活用すれば、自治体の負担を抑えながら病院の新設・建て替えを実施できそうだ。