医療崩壊へ危機感/北部地区2病院統合 不採算科目どう維持

2014.12.29

医療崩壊へ危機感/北部地区2病院統合 不採算科目どう維持
2014.12.26 琉球新報



<解説>

 県立北部病院と北部地区医師会病院が統合する形で本島北部への基幹病院設置が本格的に動きだす。

背景には医師不足が医師不足を招く悪循環を断ち切らなければ、北部の安定的な医療体制が維持できないとの強い危機感がある。

 「北部地域における医療提供体制の確保に関する研究会」報告書によると、北部地域の住民で入院治療が必要な患者の約22%は中南部の医療機関を利用している。周産期では約76%が本島中部の医療機関での入院を余儀なくされている。

 厚生労働省は2次医療圏の再編検討の基準を入院患者の流出率20%以上と示している。

医師不足を要因に、地域で一定程度の医療を受けられる体制が壊れつつあるのが現状だ。

地域医療崩壊への危機感から当事者となる両病院だけでなく、北部市町村会なども基幹病院設置を求めた。

 経営形態としては現行の県立病院などと同じ地方公営企業法の全部適用や独立行政法人化、指定管理者制度導入が想定される。

 県立病院の職員が加入する県関係職員連合労働組合は県立病院の運営形態維持と独法化反対を訴えており、経営形態によっては議論が難航する可能性もある。

 独法化などにより周産期などの不採算医療が維持されなくなるとの懸念もある。県は「独法化で進む場合でも、不採算医療が切られないような仕組みを検討会で議論する」としているが、地域医療の「最後のとりで」としての機能をどう担保するのか丁寧な取り組みも求められる。(大嶺雅俊)