日本薬剤師会・石井甲一副会長インタビュー■新執行部の独自色発揮に「1年間は必要」

2014.12.27

日本薬剤師会・石井甲一副会長インタビュー■新執行部の独自色発揮に「1年間は必要」
2015.01.02 薬事ニュース


――まずは薬局・薬剤師を巡る現状と課題についてご見解をお示し下さい
 
院外処方せん発行率の伸びに伴い、医薬分業の質を巡る様々な指摘がある。

最近になって分業に対する批判的な声は、少しずつ消えつつあると実感しているが、1~2年前は相当に厳しい状況だった。
私が日薬の専務理事を務めていた時も、調剤医療費の伸び率に対する批判はあったが、ここ数年は日医を中心にトーンが強まっていたように感じる。藤井基之参院議員の政策秘書を務めていた頃も外から見ていて、「何故これほど強く批判されなければいけないのか」と思っていた。
 
分業批判の本質は、調剤医療費の伸び率に反して薬局・薬剤師の業務内容が見えづらい点にある。

例えば、薬局・薬剤師業務の本質ともいえる疑義照会も患者ではなく処方医に行う。処方医が誤って処方した場合でも、薬剤師の疑義照会によって適正な医薬品使用が可能になる。
しかし、こうした部分はなかなか外からは見えにくい。一方で調剤医療費は伸び続けているため、批判が集中してしまうのだろう。
 

日薬にも反省点がある。私が専務理事を務めていた時もそうだが、OTC薬のインターネット販売問題などを中心に、規制緩和対策に力を集中しすぎていた。

分業のメリットをエビデンスに基づいて示す努力が不足していたのではないか。
前執行部は1~2年かけて「薬と健康の週間」事業を通じ、薬局業務の「見える化」を進めていたが、こうした良い取組みは新執行部でも継続していく。

また、分業率の増加によって薬局が調剤業務に偏重していった点も反省しないといけない。現在では国の方でも「健康情報拠点事業」をはじめ、薬局をOTC薬などの供給や健康相談にまで対応する「昔の薬局」に戻そうという動きがある。この流れには多くの薬局が参加するべきだ。

――日本病院薬剤師会や日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会など、他の薬剤師関係団体との関係はどうお考えですか
 
まず病薬については、長い歴史を振り返ってみても良好な関係になってきているし、今後もさらに良くなってくると思う。
日薬と病薬を一本化しようという動きなどもあり、両団体の関係に摩擦が生じていた時期もここ数年にあったが、分業の進展に伴って薬局薬剤師と病院薬剤師の役割の棲み分けが出来てきた。

その象徴ともいえるのが、10年度診療報酬改定で新設された「病棟薬剤業務実施加算」だ。病院薬剤師に病棟業務で能力を発揮して頂ければ、外来調剤は薬局に任せることができる。

良好な関係に基づいた薬薬連携が行いやすくなる。つまり、「病棟薬剤業務実施加算」は分業を更に進める上で重要な加算と言える。14年度改定でも評価が拡充され、我々としても大変嬉しく思っている。
 

保険薬局協会やドラッグストア協会に関しても、同じ薬剤師の団体であり、円滑な関係を築いていく必要がある。なるべく対立点の無いような状態に持っていきたい。ただし、薬剤師は医療人であるため、医療倫理に基づいて働いて頂く。OTC薬の供給に関しても単に販売するだけでなく、セルフメディケーションの趣旨に基づいた対応をして頂く。そのような状態になっていなければ、日薬としても改善を求めることもあるだろう。薬剤師の団体として繋がっているため、できるだけ対立点が無いように持っていきたい。