田川市立病院が県内の大学医学部などに「地域医療研究費」として3年間で約4100万円を寄付した問題

2014.12.11

田川市立病院:寄付問題 「研究成果」初めて示す 寄付した大学資料、市議会厚生委に 効果は依然不明 /福岡
2014.12.10 毎日新聞



 田川市立病院が県内の大学医学部などに「地域医療研究費」として3年間で約4100万円を寄付した問題で、同病院は9日の市議会厚生委員会に“研究成果”を示す資料を初めて提出した。

9月議会で議員の「寄付の効果がわからない」との指摘で提示したが、市への具体的効果をうかがわせる内容はなく依然、寄付の正当性に疑問の余地を残した。【荒木俊雄】

 この問題は、市立病院が「田川地区の医療環境の改善」などを理由に、財団法人臨床研究奨励基金(福岡市)を通じ、県内の大学医学部などに「地域医療研究費」の名目で多額の寄付をしていたことが毎日新聞の情報公開請求で3月に発覚。


内訳は2011年度870万円▽12年度1438万円▽13年度1800万円。同病院は13年度末の累積赤字が約80億3000万円。一般会計からの繰入は毎年10億円近くあり、議会側が「市から多額の補助を得ながら、効果が不透明な寄付をするのはおかしい」と批判。
14年度一般会計当初予算案が否決される一因につながった。

 市立病院によると、9日の資料は、大学側が財団に提出した報告書を今回初めて財団に請求し、要約したもの。

内容は「肝癌(がん)の発育・進展における分子生物学的メカニズムの解明」「地域医療における需給バランス」など、田川地区に多いとされるがんや地域医療など12の研究の名称や期間、目的、成果の概略。

ただ、田川に特化した研究ではなく、これまで病院側が寄付を出す補足理由に挙げてきた「医師の確保」につながる記述もなかった。

 厚生委では、この件で唯一質問した市議が「研究成果をどう生かすのか」と聞くと、斎藤貴生・病院事業管理者は「研究助成金なので直ちに市に役立つとは考えていない。間接的にいろいろ役立つし、病院にもプラスになると思う」と抽象的な答弁にとどまった。