群大が産科医派遣抑制 2病院 対応できず困惑=群馬

2014.11.04

群大が産科医派遣抑制 2病院 対応できず困惑=群馬
2014.10.28 読売新聞


 ◆館林厚生病院 常勤医ゼロ 利根中央病院 診療制限も

 全国的に産婦人科医・産科医が減少している影響で、県内の公立病院に医師を派遣している群馬大学が、付属病院への医師の集約化を進めている。安全な分娩(ぶんべん)対応が狙いだが、その影響で館林厚生病院(館林市)では2年前から産科で常勤医がゼロとなり休診しているほか、新たに利根中央病院(沼田市)も2015年度以後に分娩対応を制限する恐れが出ている。

 県医務課によると、県内の産婦人科医・産科医数は12年末で156人となり、02年の181人に比べて14%、25人減少した。

全国的な減少に対応するため、医師を大病院に集約する流れがあり、11の公立病院に医師を派遣している群馬大も同様だ

付属病院産科婦人科には25人の医師がいるが、将来的に規模の小さい病院は妊婦健診を中心に行い、出産は付属病院で行うシステムを計画的に構築している。

 同大大学院の峯岸敬教授(産科婦人科学)は「現在は高齢出産も増えており、集約化を進めて安全な出産態勢を維持することが大切だ。

また、夜勤などの労働環境を改善しないと医師を増やすことは出来ず、将来的にも集約していくことは重要だ」と説明する。

 同大から3人の派遣を受け4人態勢で産婦人科を開設していた利根中央病院は4月から派遣が1人減り、3人態勢で運営している。

 同病院は沼田市、みなかみ町など1市1町4村で年間約200件の分娩を手がける。

さらに来年度は医師の派遣自体が難しく、常勤は1人のみとなる可能性がある。

高齢出産や帝王切開、合併症などのハイリスクな分娩には対応できなくなる恐れも出てきている。

 同病院の片山忍事務長は「県外の医師にも募集をかけているが見つからない」と頭を悩ましている。

 館林厚生病院は3人いた常勤医が段階的に減り、09年7月には一時ゼロに。
常勤医が戻った時期もあったが、現在は産科が休診、婦人科は非常勤医が1人で外来診療を行っている。

 同病院総務課は「患者さんのためにも早く元の態勢に戻したいが、まだ医師は見つかっていない。現状のまま頑張っていくしかない」と話す。