医療提供側は「リートが病院経営・運営に介入しない」仕組み求め

2014.10.25

医療提供側は「リートが病院経営・運営に介入しない」仕組み求める(2014-10-24)


 1. [病院] 医療提供側は「リートが病院経営・運営に介入しない」仕組み求める

  国土交通省は10月23日に、「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」を開催した。
  
この日は、
(1)リートの仕組み、病院・医療関係者にリートを周知する方策
(2)リートに求められる組織体制―の2点を議題とした。

  (1)のうち「病院・医療関係者にリートを周知する方策」については、国交省当局から「リートの主なメリット・デメリットを整理したうえで、国交省ホームページで紹介する」考えが提示された。
 
 リートの主なメリットとしては、次のような点が掲げられた。「資金調達が容易
になる」ことと、「病院経営・運営以外の負担が軽減される」ことが目立つ。
 ●リートに病院不動産を売却することで、病院建設が負担した初期投資費用を早
期に回収でき、また資金調達方法が多様化する
 
●長期固定賃料で不動産支出額が安定する

●「理事長の連帯保証が不要になる」可能性がある
 
●財務活動に要する負担が減り、また不動産管理はリートが対応するため、経営陣
 が病院経営・運営に集中できる
 
●初期投資費用が嵩む「交通至便の立地」に、病院を開設することも可能となる
 
●計画的な修繕、大規模改修を実施しやすくなる

  
一方で、次のようなデメリットもある。
 
●リートが求める賃料(近隣相場の賃料)と借入金の返済条件如何で、不動産関連費用が多額になる可能性もある
 
●運営する病院が1つである場合には、担保資産を失う可能性もある
 
●一定の運転資金を確保する必要がある
 
●病院運営者の賃料が未払いになると、病院運営について協議が行われる可能性がある
 
●病院運営者が想定する不動産・設備投資計画について、大家であるリートの事前承認が必要となる
 
●清掃業務や建物管理業務については、リートが外注先を選ぶ可能性もある

  もっとも、今井委員(不動産証券化協会事務局長)は「賃借人である病院が賃料支払などを通常どおり履行している限り、大家であるリートが病院経営・運営に介
 入することはない」ことを説明し、上記のデメリットは、あくまでも可能性に過ぎ
ないことを強調している。
  
この点、医療提供側の委員からは「リートが病院経営・運営に介入しない」ことを担保すべきとの意見が強く出されている。
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  また、長委員(東日本税理士法人代表社員)からは、ヘルスケアリートの活用に
よって次のような医療提供が行えることが発表された。
 
●公立病院の再編統合のためのスーパーリハビリテーション構想(公立病院からリハビリ機能を分離し、公立病院は「スーパー急性期病院」に特化する。

リハビリ機能は、新たに設立する公益財団法人が所有し、スーパーリハビリテーション病院と なる
 
●保険外診療に着目したマタニティリゾート構想(妊娠から出産、産前産後ケア、子育てに関する切れ目のない支援を行う母子総合保健センターを構築し、全国の産
 科医療環境を活性化するとともに、ASEAN諸国や中国・台湾から妊産婦を受入れ、
 日本の周産期医療をアピールする)
 

●耐震化未着工の大学病院のためのリート構想

  一方、(2)の組織体制については、松田委員(KPMGヘルスケアジャパン取締役・パートナー)と栗原委員(日本政策投資銀行部長)から「病院の事業評価」につ いて発表が行われた。両氏とも「病院の事業継続性を評価する際のポイント」などについて解説を行っている。
 http://www.wic-net.com/search/?i=2385&n=1