社保審・福祉部会、多くの委員がおおむね評価 // 厚労省、社福の「余裕財産」の定義を提案

2014.10.21

社保審・福祉部会、多くの委員がおおむね評価

厚労省、社福の「余裕財産」の定義を提案


2014/10/19 豊川琢=日経ヘルスケア 
 

 
厚生労働省は10月16日、社会保障審議会・福祉部会を開催し、社会福祉法人の「余裕財産」の定義方法を提案した。

 厚生労働省は10月16日、社会保障審議会・福祉部会(部会長:慶應義塾大学名誉教授の田中滋氏)を開催し、社会福祉法人(社福)の「余裕財産」の定義方法を提案した。

社福のすべての財産から、社会福祉事業に活用している不動産や運転資金などを差し引いた分を「余裕財産」と定義。

その上で、「余裕財産」はすべて地域に再投下すべきとした。同日の部会では、多くの委員が厚労省の提案をおおむね評価した。

 厚労省の提案では、社福のすべての財産(基本金、国庫補助等特別積立金、負債を除く)から、事業継続に必要な最低限の財産を控除したものを「余裕財産」とした。事業継続に必要な最低限の財産は、

(1)社会福祉法に基づく事業に活用している不動産など、
(2)再生産に必要な財産、
(3)必要な運転資金――の3つに分類。

(1)の具体的内容は土地や建物、設備とし、その特定は財産目録などから行うとした。

 (2)は、建て替えや大規模修繕、設備などの更新に必要な財産で、補助金や融資の活用を考慮した算出基準を適用する方針を示した。

(3)については、緊急の支払いや当面の出入金のタイムラグ、事業未収金を考慮した一定期間の運転資金と定義した。

 こうした方法により算出された「余裕財産」は、地域のニーズを把握して取り組む「地域公益活動」にすべて再投下することを求めた。

「地域公益活動」に関しては、初年度は前年度末までに再投下計画を策定し、所轄庁から承認を得て実施。次年度以降は実績に基づいて再投下計画を更新し、所轄庁に届け出る仕組みを示した。

なお、再投下計画を更新する際に新規事業を開始したり事業内容を変更したりする際は、初年度と同様に所轄庁の承認審査を受けることを提示した。

また再投下計画には、(1)事業の内容、(2)実施期間、(3)計画全体に必要な投下総額とその内訳、(4)各年度の積立額と支出額――などの記載を求める考えだ。

 一方で、「余裕財産」がない法人についても言及。こうした法人は、費用の支出を伴わない公益的な活動に取り組むことを義務付ける方針だ。

 同省は同日の部会で、「地域公益活動」の論点も提示。
すべての法人に「地域公益活動」に取り組むことを義務付けるほか、「余裕財産」を再投下する「地域公益活動」については、社福の公益性に照らし、他の経営主体に率先して取り組むべきとした。