社保審・福祉部会、社福の財務運営の規律に関する議論 「余裕財産」の地域への還元促す仕組み構築へ

2014.10.03

 

http://www.jcr.co.jp/release/pdf/14d0460DMT.pdf


社保審・福祉部会、社福の財務運営の規律に関する議論

 「余裕財産」の地域への還元促す仕組み構築へ


2014/9/30

豊川琢=日経ヘルス

9月30日の社会保障審議会・福祉部会では、社会福祉法人における財務運営の規律のあり方について話し合われた。

  厚生労働省の社会保障審議会・福祉部会が9月30日に開催され、社会福祉法人における財務運営の規律のあり方について議論が行われた。

 多額に積み上げられていると言われるいわゆる内部留保のうち、「控除対象財産」や運転資金を除いた「余裕財産」は地域に再投下(投資)する仕組みを導入することで委員間の意見が一致した。

  同日の部会で厚労省は、社会福祉法人の公益性を担保する財務規律を確立するために
1)適正かつ公正な支出管理、
 (2)「余裕財産」の明確化、
 (3)福祉サービス・「地域公益活動」への再投資の仕組みの構築――の3つを提示した。

 (1)に関しては、役員報酬の支給基準の設定や、親族などの特定の関係者に特別の利益を供与することの制限といった措置を講じるほか、一定規模以上の法人には外部監査を義務付けて適切な支出管理をチェックする体制を整備することを提案した。

  (2)については、社会福祉法人の内部留保には明確な定義がないことから、内部留保のうち事業継続に必要な財産と「余裕財産」を明確に区分し、それぞれの内容を明らかにする仕組みを整えるべきとした。

 具体的には、現在手掛けている社会福祉事業の継続に必要な財産である「控除対象財産」と運転資金を除いた財産を「余裕財産」と定義。

その上で、余裕財産は(3)に挙げたように、福祉サービスの質の向上や人材への投資、地域のニーズを踏まえた社会福祉に関する「地域公益活動」に計画的に再投資する仕組みを構築することの必要性を提示した。

  これに対して委員からは、おおむね賛成の意見が上がった。

 方で、「余裕財産」を再投資する具体的な内容については、今後整理する必要があるとの声が相次いだほか、再投資の仕組みを整えるのと並行して規制緩和もすべきとの要望も出された。

 現在、社会福祉法人の運営費となる措置費や介護報酬の使途には一定の制限があるため、「余裕財産」の再投資を求めても、思うように投資できない事態になりかねないことが背景にある。

  次回会合は10月7日に開催する予定で、「控除対象財産」の範囲や「地域公益活動」の具体的な内容、「余裕財産」の再投資のルールなどについて議論する方針だ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(声)健全な社福へ、制度を見直せ 【大阪】
2014.10.02 朝日新聞



  無職 片山明彦(大阪府 75)

  社説「社福法人改革 出発点は情報公開だ」(9月23日)にあったように、社会福祉法人をめぐる問題点を洗い出す議論が政府内で進んでいる。5月には財務相の諮問機関が、社福法人は巨額の収益を「内部留保」としてため込んでいると指摘。厚生労働省の有識者会議も7月、「剰余金を具体的な使途もなく積み立てることは、(中略)非営利法人としての使命が果たされている状態とは言えない」として、「説明責任を果たす仕組みを検討するべきである」と求めた。

  「公的性格の強い法人」ゆえ基本は非課税で、政府から多額の補助金を受けている社福が不健全な経営をしているとすれば、納税している国民にとってとうてい我慢ならない事態だ。

  また国も財政再建優先の「地域医療・介護推進法」を6月に成立させ、介護サービスの自己負担増とサービスの絞り込みという新たな痛みを国民に課した。

  国は超高齢化への対応を急ぐあまり、ハコモノを増やし、利用者負担を増やすといった安易な政策に走ってはならない。介護事業は、スタッフの待遇改善を通じた人材確保と、偏りや抜け道のない健全なお金の流れになるよう制度上の欠陥の見直しが必要だ。抜本的な改革と厳格な監査機能の確立を求めたい。