【ヘルスケアリートの活用に係るGL策定検討会】

2014.10.20

【ヘルスケアリートの活用に係るGL策定検討会】
 病院向けヘルスケアリートを巡り議論スタート
─医療界は「経営への関与」に強い懸念


http://www.jmedj.co.jp/weekly/jmedsearch_detail.php?jmedsearch_id=579


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■病院等対象のヘルスケアリート活用GLの検討開始、
27年3月取りまとめ  WIC 2014年09月26日
 
今回のポイント:病院等を対象としたヘルスケアリートの活用GLの検討始まる
 
○病院の耐震化推進など資金調達方法の多様化が求められているが、資産運用会社には病院の「不動産」と「運営」を評価する体制が求められていないことから、高齢者施設等とは別途の検討がなされる

 ○ガイドライン策定にあたっては、「資産運用会社に『病院の事業特性を十分に理解する者』を関与させる」ことなどを検討
 
○来年(平成27年)3月にガイドライン案を取りまとめる予定
  国土交通省は9月26日に、「病院等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」の初会合を開催した。
  
ヘルスケアリートとは、多くの投資家から募った資金をもとに高齢者住宅等を建設し、賃貸や売却で得た利益を投資家に分配する投資商品のこと。
  
政府の成長戦略(日本再興戦略)では、「民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの活用に向け、高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備、普及啓発等(平成26年度中)」を行うことを打出しており、国交省ではすでに今年(平成26年)6月に『高齢者向け住宅』等(サ高住、有料老人ホーム、認知症高齢者グループホーム)を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドラインを公表している。
  

このガイドライン策定に向けた国交省の検討会における論議では、「病院については、今年度別途検討を行ったうえで、整備すべき組織体制等をとりまとめ、別途提示する予定」とされていた。
  

病院対象のヘルスケアリートを「別途検討する」とした背景には、「高齢者向け住宅は賃貸マンションに近い資産だが、病院は不動産としての評価に加え医療サービスの評価が重要な資産である」ことや、
「病院をヘルスケアリートの対象とすることは、医療法の『非営利原則』に馴染むのかといった懸念が病院・医療関係者等に根強い」ことなどがある。
  
今般、高齢者向け住宅対象のヘルスケアリート活用ガイドラインが策定されるなど、一定の環境整備が進んだため、病院対象のヘルスケアリート活用ガイドラインを策定するために、本検討会が設置されたものだ(p3参照)。
  
国交省当局からは、病院対象のヘルスケアリート活用ガイドラインを検討するにあたり、次の3つのポイントが示された。
 
(1)病院の耐震化が喫緊の課題となっており(平成25年度調査では耐震化率は7割以下にとどまる)、資金調達手法の多様化が求められている(p16参照)

(2)病院不動産は、既に流動化されている事例(資産運用会社が保有している医療モール等がある)が存在する

(3)病院を含めたヘルスケア施設の評価には「不動産」と「運営」の両方の評価が必要だが、現在、資産運用会社には両方を評価できる体制までは求められていない
 

(1)のように病院対象のヘルスケアリートを推進する必要性があり、(2)で見た実例があるものの、(3)のような懸念事項もあるということだ。
  

検討委員会では、この3点のポイントを前提に幅広い議論を重ねていくが、国交省はガイドラインでは次のような項目を定めることを提案している。
 
(i)対象とする施設等(診療所や医療モールについては、既に資産運用会社が保有している事例が存在するため、ガイドラインの対象に含めるべきか否かを検討する必要がある)
 
(ii)適用時期
 
(iii)資産運用会社が整備すべき組織体制(病院の事業特性を十分に理解する者を関与させ、不動産鑑定評価にあたっては「運営」の評価も適正に行われていることを確認することが必要となる)
 
(iv)病院運営者と資産運用会社(リート)との信頼関係の構築
  
このうち(iv)の信頼関係構築に向けては、資産運用会社が「病院運営者と緊密なコミュニケーションをとる」とともに、「法規(医療法等)や行政指導に沿った病院運営が確保されていることを確認する」ことや、病院情報の収集・開示などが必要となる。
  
さらに国交省は、病院対象のヘルスケアリートのメリット(資金調達方法の多様化や、理事長の連帯保証不要の可能性など)とデメリット(病院運営者の行う設備投資等について、資産運用会社の事前承認が必要となることなど)を整理し、病院運営関係者に周知することも検討する。
  検討会では、来年(平成27年)3月にはガイドライン最終案を取りまとめたい考えだ。・・・