少子化対策、小学生から 赤ちゃんと触れあい子育て学ぶ

2014.09.24

少子化対策、小学生から 赤ちゃんと触れあい子育て学ぶ
佐藤恵子2014年9月24日朝日新聞


愛知県豊田市も中学生が赤ちゃんと触れ合う授業を行う。命の尊さや親の役割を考えさせるねらいだが、「将来親になるための準備教育でもあり、結果的に少子化対策にもなれば」と市の担当者。

市立崇化館(そうかかん)中学校で9日にあった触れ合い体験では、約100人の3年生と60人ほどの赤ちゃんが対面。ぐっすり眠る子もいれば、泣き出す子も


 体操着姿の5年生たちが順番に、そっと赤ちゃんを抱きかかえていた。泣き出す赤ちゃんをあやそうと、変な顔をしたり、鈴を鳴らしたり。どうしていいのかわからず、赤ちゃんを見つめるだけの子もいた。

特集・教育2014

 富山湾に面した人口約4万4千人の富山県魚津市。約120人が通う市立上野方(かみのがた)小学校は、7月の授業で2組の母子を招き、5年生の児童約20人が赤ちゃんと触れ合った。

子どもたちからは「夜泣きの時は眠れない?」「パパに何をしてもらいたい?」などと母親に質問が飛んだ。妊娠や出産の仕組みも習った。

 授業は、市が進める少子化対策「こうのとりプロジェクト」の一環だ。

命の大切さを学ぶねらいで、6年前から一部の小学校で行ってきたが、今年度から国の地域少子化対策強化交付金を使い、対象を市内の全小中学校に拡大した。

 授業後、将来の自分や我が子に向けた手紙を書く取り組みもある。上野方小の子どもはこんな思いをつづった。《私は赤ちゃんを育てるのが楽しみ》《僕は将来、早く子どもがほしい》

 市内の出生数は2002年に419人だったが、11年は初めて300人を下回った。

「これだけで少子化が解決するとは思わないが、価値観を押しつけずに、結婚や子育てを考えるきっかけになれば」と市の担当者は言う。

 人口減少への危機感から、少子化対策が教育現場にも広まりつつある。政府が昨年公表した「少子化危機突破のための緊急対策」は、「中高生が乳幼児とふれあう機会の推進」を盛り込んだ。
12年度から適用された中学校の学習指導要領も、家庭科で「幼児との触れ合い」を必修化した。

 大人相手にいろいろやっても、なかなか止まらない少子化。追い込まれた自治体は、10代に訴え始めた。

■結婚の魅力、10代にPR

 結婚するつもりだが、自由を失いたくない。結果、未婚化や晩婚化が進む――。

そんな要因も少子化に潜むとの分析をもとに、山形県は「結婚・子育てポジティブキャンペーン」を進めている。若い世代に、結婚や子育てを前向きに捉えてもらうための取り組みを展開し、今年度は県内八つの高校で、人生設計を考える「ライフデザインセミナー」を開く。