県、日赤と病院統合 丹波の県立柏原・柏原赤十字 「全国初」医師ら移籍 /兵庫県

2014.09.10

県、日赤と病院統合 丹波の県立柏原・柏原赤十字 「全国初」医師ら移籍 /兵庫県
2014.09.09 朝日新聞


 井戸敏三知事は8日、丹波市の県立柏原(かいばら)病院と柏原赤十字病院を統合再編すると発表した。

県が市内に300床規模の新病院を約200億円かけて建設し、2018年度の開院を目指す。

医師不足や経営難を背景に、県内では公立病院の統合再編が相次いでいる。


 統合後の新病院は県が運営し、柏原赤十字病院は医師や看護師らを新病院に引き継いだ上で廃止する。

日赤県支部によると、日赤病院と公立病院の統合は全国初という。

県病院局によると、今後は地元の意見を聞き、今年12月に新病院の建設地や設置する診療科などを盛り込んだ基本計画を策定。15年度に設計、16年度の着工を目指す。

 統合再編の背景には、両病院の厳しい運営実態がある。
県立病院は1998年度以降、患者が近隣の西脇市や三田市に流出するなどして赤字運営が続き、2013年度は6億7千万円の赤字に。

赤十字病院も同様に1995年度から赤字が続き、2013年度は1億9千万円の赤字だった。

 04年度に導入された臨床研修制度で新卒医師が研修先を選べるようになったことも追い打ちをかけた。

医師が都市部の病院に集中したため医師不足が深刻化。県立病院では小児科医が一時、事実上1人となった。

赤十字病院も13診療科のうち、脳神経外科と小児科が現在休止している。

県立病院に医師を派遣する神戸大も県に対し、「医師の確保が難しい」と統合再編を促していたという。

 12年11月、医療機関や住民代表らでつくる「丹波市域の今後の医療提供体制のあり方に関する検討会」は「統合再編が望ましい」とする報告書をまとめ、県と日赤が協議。今回両病院の統合再編で一致した。

 新病院では救急の専門医や脳神経外科の常勤医を確保するほか、大学教授らのもとで地域医療を担う若手医師を養成する教育センターも整備する。

赤十字病院が担っていた軽症患者の救急医療や検診、訪問診療などは、新病院の隣に整備する保健福祉施設が対応する。

来年度から丹波市に移管する県立柏原看護専門学校も、新病院の隣に同市が整備するという。

 県病院局は「新病院開設後数年での黒字化を目指す。若手医師が集まる魅力的な研修環境も整えたい」。

日赤県支部の担当者は「昭和10(1935)年からの歴史ある病院で廃止は残念だが、日赤が担ってきた精神や医療は継承されると思う」と話した。


 ■公立病院統合、県内で加速

 県内では近年、公立病院の統合再編が加速している。

 県病院局によると、小野市には2013年10月、三木、小野両市民病院が統合して「北播磨総合医療センター」が開院した。

医師不足の影響で両病院は05年からお産の受け入れを休止していたが、センターに常勤医が配置されて産科の外来が復活した。

 赤字運営が一時続いた尼崎市の県立塚口病院も、県立尼崎病院と統合して15年5月に「尼崎総合医療センター(仮称)」が開設される。

 16年秋には加古川市で、東西市民病院が統合する予定だ。西市民病院では内科医が一時2人に急減して外来診療を制限、病院存続が危ぶまれた時期もあった。

 朝来市でも16年度に梁瀬医療センターと和田山医療センターが再編されて「朝来医療センター(仮称)」が開院予定という。

 井戸知事は8日の会見で、県内の公立病院で統合再編が進んでいる現状について「統合することで病院としての総合力を増し、医師の確保につなげたいという狙いもある。

今後も地域の実情に応じて積極的に検討されると思う」と話した。(島脇健史)