医療費の都道府県目標*算出方法 年内にも*政府調査会

2014.08.14

医療費の都道府県目標*算出方法 年内にも*政府調査会
2014.08.12 北海道新聞刷 


 政府は11日、都道府県別の医療費支出目標の設定に向け、有識者による専門調査会の初会合を官邸で開いた。医療機関が請求するレセプト(診療報酬明細書)などのデータを活用し、高齢化に伴って増え続ける医療費を抑制するのが狙い。年内にも、地域ごとの適正な病床数や人口、年齢構成などを踏まえ、支出目標を定めるための算出方法を示す。2015年度の目標導入を目指す。

 医療費の伸び率は国内総生産(GDP)を上回っており、どのように上昇を抑えるかが経済再生や財政健全化にとって重要な課題となっている。初会合のあいさつで、甘利明社会保障と税の一体改革担当相は「財政の無駄を省き、社会保障の効果的な展開に資するような方策を探っていきたい」と述べた。

 一方、日本医師会(日医)など医療関係者からは、支出目標を設定すれば、必要な地域医療が提供できなくなる恐れがあるとの声が上がっている。

 専門調査会は社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下に設置し、増田寛也元総務相ら15人で構成。会長には、永井良三自治医科大学長が就いた。

 初会合では、目標の算出手法を検討するワーキンググループの設置を決めた。レセプトデータなどを活用して、地域ごとに必要な病床数などを探り、支出目標の計算式案を調査会でまとめる。調査会の検討結果を踏まえ、各都道府県は来年度以降、必要な医療体制などを盛り込んだ「地域医療ビジョン」を策定する。

 介護に関しても将来的に支出目標を検討するが、データが限られることなどから、政府はまずは医療での設定を先行させる方針だ。

 医療費の支出目標は、安倍首相が4月に検討するよう指示し、6月に閣議決定された骨太方針に盛り込まれた。

*最大1.6倍の開き

 高齢化に伴い増える1人当たり医療費は、都道府県ごとの比較で最大1・6倍の開きがあるのが実情で、医療費の多くを占める入院費用や病床数の違いなど複数の要因が指摘されている。

 厚生労働省が調査した2011年度の都道府県別の1人当たりの医療費は、最も高い高知が61万2千円、最も低い千葉は39万円で約1・6倍の差があった。全国平均は47万7千円だった。

 他に医療費が比較的高かった県は、山口(60万5千円)、広島(59万円)、大分(同)、鹿児島(同)など。低かったのは埼玉(39万9千円)、沖縄(40万円)、茨城(40万3千円)、栃木(41万4千円)だった。北海道は57万5千円で、10番目に高かった。

◇日本の医療費◇

 患者の窓口負担と保険料、公費を合わせた国民医療費は高齢化などの影響で増加が続いている。2013年度は予算ベースで41兆8千億円と1990年度の20兆6千億円の約2倍に膨らみ、今後も増え続ける見通しだ。国内総生産(GDP)に対する比率も年々高まっており、経済や財政の足かせになりかねないとの懸念が高まっている。