◎いま2市1町 サービス低下 懸念 介護保険・要支援1~2の一部事業 各自治体に移管 大山崎町 「町の負担増確実」

2014.08.09

◎いま2市1町 サービス低下 懸念 介護保険・要支援1~2の一部事業 各自治体に移管 大山崎町 「町の負担増確実」
2014.08.08京都新聞



 6月に成立した「地域医療・介護総合確保推進法案」は、介護保険の要支援1~2の一部サービスを市町村事業に移管する。

市町村が十分な財源を確保できなければサービス低下は避けられず、乙訓地域でも懸念の声はやまない。一方、サービスを担う介護事業者の中には、2015年度からの移管を見据え、ボランティアと連携を模索する動きも出ている。(小野俊介)


 要支援1~2向けのサービスは現在、介護保険の「予防給付」として全国一律で提供されている。

一方、家事や掃除など簡易な内容でも専門職が請け負うことが多く、多額のコストが必要。

国は厳しい介護保険財政を改善するため、15年度から3年かけて、訪問介護と通所介護を市町村の「地域支援事業」に移す法案を提案、6月18日に成立した。

 地域支援事業は介護保険の一部だが、事業費は介護給付費の3%以内と定められており、それを超える額については市町村が一般会計などから持ち出す必要がある。大山崎町の担当者は「今でも3%を超えることがあり、町の負担が増えることは確実」と話す。

 サービスの担い手である民間事業所も困惑している。現行の予防給付では利用者から1割、市町などの保険者から9割の負担金を受け取っているが、地域支援事業移行後は、市町が利用料や負担割合を決める可能性が高い。ある事業所の担当者は「負担金が切り下げられると経営は厳しくなる」とため息をつく。

 国は民間事業者に加えてボランティアやNPOが参入できる仕組みを提案し、「地域の実情に合った多様なサービス」を目指している。

だが、乙訓地域のような小さな自治体では受け皿は十分ではなく、新たな担い手をどう確保するかが課題となっている。


医療法人とボランティア 介護予防へ連携も


 医療法人社団「千春会」が運営する「デイサービスセンター滝ノ町」(長岡京市滝ノ町2丁目)。要支援1~2の高齢者たちがトレーニングマシンで手足を鍛えたり、棒体操でバランス訓練を行う。

 その日の訓練内容や時間は、一人一人の状態に合わせて作成したプログラムに基づいて決める。

瀧本稚子マネジャーは「要支援の人たちの体の状態をどう維持していくかが大切」と話す。

そのため、家族でさえ気づかないような小さな変化にも目を光らせないといけない。
「ノウハウを持たないボランティアだけでは難しい部分もある」。

 そこで、千春会はボランティアとの連携を模索し始めた。日曜日に施設を開放して合同で体操教室を開いたり、山登りや散歩なども想定。

こうした機能訓練をボランティアと合同で行うことで、自然にノウハウを提供できるという構想だ。

また現在、個々の施設で活動しているボランティア団体を登録制にし、横断的に活動できる場を提供する取り組みも進めている。

 寺山紀子看護部・介護部長は「新たな介護予防のシステムを構築できたら」と青写真を描く。

 ボランティア側にも新たな動きが出てきた。昨年11月に発足した大山崎町シルバー人材センターの女性委員会は、掃除や買い物など独居高齢者の生活支援を強化する。

女性会員が支援を担うことで女性高齢者が利用しやすくしたり、ワンコイン(30分500円)でサービスを受けられるようにする。

町内では生活支援サービスを受ける高齢者が増えており、ニーズに見合った受け皿を確保したい考えだ。